七話 夢友
俺は話しだした。この男の優しさに応えたいと思ったからだろうか。自分の話を馬鹿にしないで聞いてくれると信用出来たからだろうか。
一通りブサイクだから恋愛出来ない理論を語った後、他人の恋愛のせいで傷ついた過去をさらけ出し、おかげで恋愛にマイナスな感情を抱いている為、現状では恋愛出来ないと告白。それに基づいた議論がどんどんと発展し、
「いいかシードル!恋愛するもんじゃねぇんだ!憧れた所で無意味だったんだよ!」
時間は三十分くらい経過した。
「なんだよ。なんで笑ってんの?」
「いやいや、イケメンが何言ってんの?って話だ。お前の中でフツメンかイケメンが恋愛をする条件なら、お前はその土俵に立てたということだ。」
ハッ確かに。
いつの間にかシードルと仲良く談笑していた。話しているうちにやはりコイツは良い奴だとわかった。
「お前は夢を叶えていいんだ。まあ、ブサイクも恋愛する権利があると思うがな。」
「さっきのは舞い上がって極論言ってみただけだ。正論言うなよシードル。」
「ハハハ。」
「俺が勝手に決めつけてただけで、やっぱり恋愛したら楽しいんだろうなって思うよ。」 俺は恋愛をして幸せになってる人を見て羨ましいって感じてたんだろうな。でも自分に自信がなかったから諦めて、見下して、プライドが傷ついて。何やってんだか。
「恋愛かぁ、少し興味が湧いてきたなぁ。よしっそろそろ牢屋から出ようか。」
そうだ、会話に夢中で、ここが牢屋であることを忘れてしまっていた。
「出ていいのか?」
「当たり前だ、事情もわかったし、俺たちは同じ夢を語りあった友達だろ?夢友だ夢友。」
「なんだそりゃ、ははは…。」
「ガイィィィンッ!」
「…。え?」
シードルは牢屋の鉄格子を右手チョップでぶち壊した。
「鍵は?」
「無いよ。さあ行こう。こっちが出口だよ。」
呆気にとられつつも俺たちは出口へと向かって歩き出した。一体なんなのだコイツは。
「なぁシードル、なんでそんなに俺を気にかけてくれるんだ?」
「暇つぶしかな~。いや、気まぐれ?違うな、お前がイケメンだったからかな。」
「やっぱりイケメンって得だよなぁ。」
「うんうん。それにしても転生って良いなぁ。人生やり直せるって事だろ?しかもイケメンってステータス無償で付与されてんだってんだから儲けもんだよな。」
モヤッ
「だいたい、普通人生一回きりなのにもう一度チャンスくれるとか運命様優しすぎだろ。俺もしてみてぇな一回。ははは。」
モヤモヤッ




