二十六話 亡霊
「「「何やっとんじゃてめええ!!」」」
「お前クソブス!死にてえのか!死にてえのか!ブスが美女を襲ったらドスっだぞオイ!」
これは俺の経験談からくるブラックジョークだ。
「デント!他国から女の子連れ去るなんてあんたバカ!?」
「お前が言うなティナ!あー頭がいたい、、なんで勇者パーティはアホばっかりなんだ」
「ユーリィ!引き返すか!?アホデントをそのまま置いてきても良い!」
「いや、今日はもう日が落ちる。夜は何が起きるかわからない。このまま帰るしかない。パルフェさんには申し訳ないが、、」
パルフェ
「私はそれでもかまいませんよ〜」
デント
「だってさ」
三人
「いやなんでだよ!!」
テッドレッド王国に到着、、
「さぁパルフェさん、勇者の俺がこの国を案内して差し上げましょう。」
「あらデントさん?この国の勇者はダモレさんみたいなのだけれど。」
街のみんながお出迎えしてくれていた。
「勇者さまー!おかえりなさーい!ダモレ様ー!」
「ハッ、残念だったなデント。パルフェさん、一緒に行きましょうか!」
「あらいいわね。」
「この変態野郎てめぇ!!クソがああ!!」
ティナ
「パルフェさんの持ってきたパフェうまぁ!!」
どうやって持ってきたんだよ!
アルバースは外交院の庭に降り立った。
ユーリィは早くも外交官モードだ。
「パルフェさんを丁重にもてなせ!
重要機密情報は厳重管理だ!」
こうしてこの日の夜が更けた。
異世界生活三日目、俺は世界の構造的な残酷さを目の当たりにした。
主観的な理不尽を嘆く暇などない、理不尽を受け入れて対処しなければならないのだ。ティナ、ユーリィ、デントが敵に立ち向かうのを見守るしか出来なかった。その悔しさを噛み締めて、今日もベッドに潜り込む。
ゴォォォォンゴォォォォン
と音が聞こえた。
やばい遂に幻聴か!?と思ったが、二回で止んだ。
なんだったんだ。
すると廊下がバタバタと騒がしくなった。
「ダモレ!カーテンを閉めろ!」
ユーリィが急に扉を開けて入ってきた。
「し、閉めたよ」
「それで良い、他の部屋も確認してくる。」
「おいユーリィ、何があったんだよ。」
「亡霊だ。」
「ユーリィさん全てカーテンを閉め終えましたよ!」
イザベラさんの声が聞こえた。
「ありがとう!イザベラさん!」
「ユーリィ、亡霊って」
「あぁ、今から説明する。」
ユーリィが廊下に連れ出し階段の横の窓のカーテンを少しだけ捲り、その隙間から俺に外を見せた。
いつもならテッドレッド山の街並みと、麓が見下ろせる場所だ。
俺は窓を覗いた。すると遥上空に目を疑うものが浮遊していた。
「亡霊、死神だ。」
夜空の遥か上空。
何十、何百もの死神たちが一定の間隔で整然と並び、同じ方向へ進んでいる。
誰一人として地上を見ることなく、ただ黙々と、なぜか楽器を奏で続けていた。
なんだこの不気味な景色は。あまりにも怖すぎる。
「彼らは天空世界から追放された堕天使
•地上で死んだ者の亡霊
•役目を終えた死神たちだ。
行き場を失い、地上世界の遥か上空を彷徨っている。
天空都市が通過した後の夜は、よく目撃されるそうだ。
地上を襲う存在ではなく、夜空を横切る「亡者の楽団」として存在していると言われているが、襲ってこないという確証はない。」
だからカーテンを閉めたのか。
すると、山の麓から一人の亡霊が浮遊し、その列の中に入っていくのを目撃した。
怖すぎるだろほんと。悲壮的で不気味な演奏が響き渡るその夜は疲れているのに全然眠れそうになかった。




