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特殊情報大隊 ~公爵令嬢、内緒話をする~

ちょっと書き方を変えてみたわ。これで良かったら一言感想頂けると有難いわね。

ルーシ・リューリク帝国、首都『ぺテログラード』郊外――


「――という訳です」

「ほう...?何故そう言える」

「...私のお嬢様が顧問兼教官だからです」

「...というと、ああ、シャイデルか」

「...はい」

「あの帝国も落ちたな...分かった、侵攻作戦をこの情報を元に立案する。恐らくお前も元に戻れるだろう」

「...ありがとうございます」


――――


「...はぁ...」


...マーリン何処かしら...こんなに探しても見つからないなんて...


「シャ――ル嬢?」

「はぁ...」


私はまた溜め息を付いた。


「...シャイデル嬢?」

「ひゃう?!」


ちょ、な、誰?!


私は前に立っている人を見上げた。


って、文官のカメーネフじゃない...


「驚かせないでよ...」

「え...え?どうかされました」


...つい声に出ちゃってたみたいね。


「何も無いわよ...で、何かしら?」

「いきなり声を掛けてしまい申し訳ありません。早急に話をしたいと思いまして...」

「...分かったわ、あっちで話しましょう?」


私達は応接室に移った。



――応接室



「で、どんな話かしら?」

「...シャイデル嬢の専属メイド、マーリンについてですが...」


...あの娘何かしたのかしら...


「...あの娘がどうしたの?」

「彼女の経歴はお知りですか?シャイデル嬢」


...全く知らないわね...あくまで拾っただけだから...


「...いえ、全く知らないわね。で、それがどうしたの...?」

「...では彼女の経歴を話させて頂きます...


彼女はスオミ王国カンニナ地峡伯領生まれ。


地峡伯の召し使いとして12歳の時に採用されて15歳の時に暇を出されました。

新しく雇ってもらう為に各国を転々し、お嬢様のお屋敷に、という流れです」


やけに詳しいわね...まさかね...でもあそこしか無いし...


「確かスオミ王国って...」

「はい、我が国の仮想敵国です。更に...」


更に...?


「カンニナ地峡というのは...」

「...ぺテログラードからそこまで離れてないわね...」

「はい。国防上そちらに情報が渡ると...」

「...相当厳しいでしょうね...でも...」


でもあの娘がそんな事するわけ...


「一応です...無いとは思いたいのですが、一応...」


...確かにそれなら今日朝からあの娘が居ないのは分かるけど...でも...

...いいえ、私は確かにシャイデルという女でもあるけど『フェルト家長兼帝国軍顧問兼教官』の公の人なのよ?しっかりしなさい。


「分かったわ...誓ったものね、事に臨んではこの身を顧みず、私の職務を断行するって」

「シャイデル嬢...」

「この国は良い国よ。だからこそ命を懸ける事が出来るの...

...まぁ、もう少し変えたいところもあるけど...」

「まぁ、それは後程...」


...それでも...


「...それでもこの国にはまだ希望があるわ。

貴族さえ排除出来れば...」

「貴族ですね...」


本当に史実を見ると、貴族を見ると吐き気がするわ...腐ってるもの...


「...世襲無しの一世一代制の特権階級に変えてあげようかしら...」

「それは...流石に貴族の抵抗が相当厳しいかと...」

「でもそうしないと頭の良い者が出てこれないし、この国が良くならないわ...

文官だけ実力主義で貴族は世襲制...

不平等だとは思わないかしら...?」

「...確かに、確かにそうですが...シャイデル嬢、貴女様の身が...」

「...仕方無いわよ。この国を良くする為よ、公私は分けて動くべきだわ」


...それがこの国の為になるなら...


「本当にこの帝国を愛してくださってるのですね...」

「ええ...実は私、こっちに来る前に婚約破棄されてるのよ」

「...まさかトゥール王国第一王子、ジョン王子がですか?」

「ご名答。そこで絶望していた時に、嫁ぎに来ないか、ってお誘いがあってね?

少し悩んだけどここに来る事に決めたの。

...そして、それの途中に...」

「...そうだったんですか」


私は黙って頷いた...


...そういえば...私の家系って...


「ねぇ、カメーネフ?私の家系って母方は皇族の傍系よね?」

「はい。現在リーン分家です」


リーン分家、ね...?


「リーン分家の中身を教えて頂戴?」

「分かりました。

まずリーン分家の家長ですが、セルゲイ・イヴァンノヴィチ・リーン殿下という次男ですね。

殿下には妻が居まして、ソーニャ・ゲバルト・リーンと言います」

「あら、御結婚されてるのね?」

「はい。...ただどちらかが悪いようでお子さまが...」


うわぁ...不妊症ね...

相当お辛い筈よ...魔法でどうにかなるならしてあげても良いけど...


「辛いわね...ご夫妻はおいくつかしら?」

「夫の方が43歳で、妻の方が38歳です。結婚されて今年で20年経っています」


20年...磁器婚式ね...


「...?因みにシャイデル嬢のお母様、ソフィア様も元家長です」

「...え?それ本当...?」

「はい。シャイデル嬢から見ればソフィア様が22歳の時にお婆様が亡くなられまして、お母様が長女でしたので家長になっています」


つまりお母様も私と同じような事をしていたのね...

次お母様に会えたら聞いてみようかしら...


「...そう。...そういえば私はどうなるのかしら?一応フェルト家長だけど」

「...恐らくこのままの状態ですとフェルト家長として嫁いだら、お子様がこれ以上居ないのですから...

フェルト家はリーン分家に吸収されて廃止されると思います...」


...そうよね、そうなるわよね...


「お母様が復活されれば改名して、皇族復帰が認められると思いますが...」

「...そうね、お母様次第ね...分かったわ。ありがとう、カメーネフ」

「いえ、お役に立てればそれで...」

「...ありがとう」


私は感謝の意味を込めて微笑んだ。


「...シャイデル嬢、一つお願いしたい事が...」


え...ええ?私何かしたかしら...?


「な、何かしら?」

「好きな方の前でしか微笑まないようにお願いします...」

「え...ええ...?」


な、何でかしら?


「貴女様はお綺麗ですから微笑まれたら...」

「え、ああ...そういう事ね...」

「ですから...」

「でも貴族はいつでも微笑んでなきゃいけないから...」


暗黙の了解だもの...


「え...?そうなんですか?」

「...え?違うの?私はそう教え込まれて生きてきたのだけど...」

「...この国は自由です。...例えば何か悪口言われても微笑んで...?」

「はい。微笑んだまま耐えるも良し、皮肉を言っても良しね」

「はぁ...やはり国でまた色々と違いますね...」


...ちょっと不信感を与えちゃったかしら...解消しておいた方が良さそうね...


「...でもね?私の世話をしてくれてる人達に対しての微笑みは本物だから...

流石に感謝の思いは偽りたくないわ...」

「お嬢様...」

「まぁ...だからごめんなさいね?微笑むのだけはやめられないわ...」

「そういう理由であれば仕方無いですね...」

「...理解してくれてありがとう、カメーネフ」

「...いえ」


コンコン!


「誰かしら?」

「マーリンです」


やっと来たわね...ちょっと叱ろうかしら...


「入って良いわよ」

「失礼します」


扉が開いて、マーリンが入って来た。


「...お嬢様、その方は」


...少し不機嫌になった?

マーリンが少し顔を歪めるって...


「ああ、彼?私に配属された文官よ?」

「...お嬢様...私が嫌いになったのですか...?」

「...え?」


えぇ...?いきなり何をこの娘は言ってるの...?


「私はお嬢様が大好きです。...それなのに何で他の文官を...!」


いきなり何を...、と言う前に気付いたわ...目が本気な事を...


「それは貴女がさっきまで近くに居なかったから...」

「っ...それはそうですが...」


...ちょっとやっぱり叱ろうかしら...


「...正直驚いたわよ?『専属メイド』の貴女が居ないんだもの。何度大きな声を出しても来ないし」

「そ、それは...ちょっと外出を...」


私は口調を強めた。


「外出...?貴女、私の『専属』メイドよね?何で離れるのかしら?」

「え、そ、それは...」

「もし外出するとしても相談して頂戴。じゃないといきなり居なくなられたら私だって困るわ。そこは分かって」

「...はい」

「...今回は許すわ。...でも次は無いわよ?」

「え...?」

「次こんな事があったら専属メイドからメイドに下げるから」

「そ、それだけは...!」

「良いわね?」


威圧を込めて私は言った。

「...はい」

「...取り敢えず今日は休んでて良いわ」

「...申し訳ありませんでした」


...マーリンは本当に後悔した声音で言って、出ていった。


「...ちょっと言い過ぎなのでは...?」

「大丈夫な筈よ...あの目は本当に後悔している目だったわ」


...でも、やっぱり心が苦しいわね...私もあの娘、好きだもの...


「...それに制限も掛けれたわ」

「えっ...?」

「...まだ分からないの?帝国軍第一特殊情報大隊さん?」

「...ああ。...ご協力有難う御座います、シャイデル嬢」

「これで貴族経由で伝わるしか無くなったわ」

「それは...何故ですか?」

「あの娘本当に私に対しての忠誠心はあるわ。

だからこれ以上裏切るのは厳しい筈よ。だって...」

「...成程、メイドに落とされたくないから、と」

「ええ。だからやるとしたら貴族経由でやるしか方法は無いもの。

...ここからは貴方達の本業でしょ?良いわね?内乱が起きる前に抑えるのよ?」

「御意」


幾ら内乱と戦争が起きてもやろうと思えば鎮圧出来るけど...やっぱり祖国の大地が荒れるのは見てられないわ...


「...で、カメーネフ?」

「何でしょう...」

「書類持って来て頂戴?」

「...シャイデル嬢も相当働かせて下さいますね?」

「私もフェルト家長兼帝国軍顧問兼教官だから忙しいの。午後は授業のオンパレードなのよ。書類仕事は午前中に終わらせたいでしょ?つまりそういう事よ」

「...そういう事なんですか」

「という事で持って来て頂戴?『文官様』」


私は文官様を強調して言った。


「...はぁ。分かりました、持って来ます」


カメーネフは不満そうな顔をしながら出ていった。



ごめんなさい、マーリン...私は貴女を失いたくないの...

だから手を汚させたくないの...本当にごめんなさい...


もし...もし失望したなら――私を捨てて頂戴。


――――


侍女部屋


...お嬢様、物凄くお怒りに...

...もうやめようかしら、こんな事。

専属メイドから降ろされるなんて絶対...絶対嫌よ?

幾ら帝国を倒したいっていってもお嬢様を巻き込む事だけも絶対に嫌...

...でも、それじゃあ、あの放浪の2、3年間はどうなるの...?

あの時間が全部無駄になるのよ...?それでも良いの...?

...でも、でも...


...結局私は今日一日を考える事に使ったけど、答えは遂に出る事は無かったわ...

...いつも投稿遅くてごめんなさい...

今のまま行くとほぼ週一投稿で確定しそうね...

...頑張って書くから待っててね?

じゃあまた約一週間後に...Asta la vista

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