演習場 ~公爵令嬢、騎士団の再編を行う~
...さてと。
目の前には...少しだらけている騎士...ううん、男達ね...ちょっと引き締めてあげようかしら...
「...El We Connect」
...さ、出来たかしら?
「...総員、整列!」
その瞬間、男達は騎士達に変わって、整列した。
うん、大丈夫そうね...でも何か足りないのよね...何が足りないのかしら...あ、そうしてみようかしら。
うん、やってみよう。
「各百六十名で五つに別れて...五個十列縦隊!」
...うん、一糸乱れぬ動きね...流石フェルト騎士団ね。
「これなら大丈夫ね...
あ、流石に大声を出すのは厳しいからこれでお願いね...
私から見て一番右の隊を第一中隊とするわ。
右から二番目は第二中隊、真ん中は第三中隊、その次は捜索中隊で最後は...輜重中隊ね...
各中隊で隊長を決めなさい。
そして決まったら各中隊長は私の下に集合よ」
...十五分後
「結構掛かったわね...まぁ良いわ。
第一中隊から第三中隊までは、まぁ、花形と言われる戦闘部隊ね。
貴方が変な事したら隷下部隊が全滅する可能性があるわ、気を付けなさい。
そして捜索中隊長、貴方の部隊がきちんと働かないと勝てる戦いも勝てないわ。
そういう意味で戦闘部隊より重要よ、頑張って頂戴。
そして輜重中隊長、貴方達の部隊も重要よ。
貴方の部隊が動かなかったら幾ら戦闘部隊が強くても、武器が無かったら意味が無いし、戦う前に餓死もありえるもの。
だから頑張って頂戴。
改めて言うけど、貴方達は殺す為に居るのでもなく、死ぬ為に居るんじゃないわ。
...決死は未だしも必死は許さないわ。恥を忍んででも生きて帰って来なさい...これは至上命令よ。
...元騎士団長は非常時の際は第一、第二中隊の兼任を認めると共に、大隊長に任命するわ。
元副団長も非常時の際は第三中隊の兼任を認めると共に、大隊の参謀長に任命するわ。
また、第一から第三中隊長は大隊長の召集会議では参謀として動いて頂戴。
私からは以上よ。
...何か質問はあるかしら?」
騎士二人が手を上げた。
「えっと、じゃあ貴方から」
「捜索中隊、隊長のマルトンと申します」
「貴方が捜索中隊長のマルトンね?覚えておくわ。
それでどうしたかしら?」
「捜索中隊の存在の定義と我々の上官を教えて戴きたく思います」
「あ、輜重中隊長、イーデンも上官を...」
「...まず捜索中隊の存在の定義ね...
捜索って名前付いてるけど簡単に言うと偵察部隊ね。
まぁ戦闘も出来る戦闘偵察部隊って言えば良いかしら?
...そして上官は...捜索中隊、輜重中隊共に私の隷下部隊よ。ということで、マルトン捜索中隊長、イーデン輜重中隊長、宜しく頼むわ」
「お、お嬢様が上官、ですか...?」
「何か不満があるなら言って良いわよ...?」
私は少し拗ねながら言った。
「ふ、不満はありません!ただお嬢様が戦地に赴くては、と...」
「...はぁ...女だから仕方無いわよね...分かってるわよ、それ位...」
「お嬢様...」
マーリンが私を心配してくれた...相変わらず優しいわね...
「...お嬢様...いえ、司令官」
「っ...!」
え?...今サハロフは何て言ったかしら?
「無礼を承知の上で申し上げます...もっと自信をお持ちください。そしてもっと我々を信頼してください、司令官」
「な、何を言って...信頼してるわよ...?」
「いえ、多分司令官の中でまだ我々を信頼出来ていない部分があるのでしょう...でなければそんな震えた声は出ません...」
「っ...!」
「シャイデル司令官、我々を信頼して下さい...必ず後悔などさせませんから...」
「...分かったわよ」
騎士達が顔を緩ませた...
「...その代わり!」
「何でしょう...」
「ちゃんと意見ぶつけなさい。私が司令官だからって、遠慮しない事、良いかしら?」
「「はい!」」
...良い返事ね...
「...早速で申し訳無いのだけど、中隊の下に各四十人の小隊を四個ずつ作って、小隊長を決めて連れて来て頂戴...一度解散!」
......
「連れて来ました!」
「ありがとう。確か二十名よね?」
「はい」
「うん、良かったわ...
さてと、一言言うなら貴方達小隊長は中隊長に比べると権限は無いわ...
でも貴方達が上手く指揮しなきゃ、貴方の小隊どころか中隊が全滅する可能性だってあるわ。
だから頑張って頂戴、小隊長。
...以上よ。各小隊長に命令するわ。
小隊の中で各十人の部隊、四個作って、分隊長を決めて連れてきなさい。
良いわね?...解散!」
「司令官」
「何かしら?サハロフ大隊長」
「今騎士団...いえ、軍の改革中ですか?」
「勿論そうよ。軍の改革は大事だから...」
「...そういえば特訓はどんな事を」
「勿論体も鍛えるわよ?でも今回は座学を重視したいわね...近代化の鍵だから」
「近代化、ですか...?」
「ええ。軍隊は常に進化しなくちゃ負けるのみよ...だからね...
私が世界最強の軍隊にしてあげるわ」
「司令官...」
「...あ、来たわね」
...九十人並んだだけでも結構威圧感が凄いわね...取り敢えず言わなきゃ...
「貴方達を分隊長に任命するわ。
...一言言うなら貴方達は小隊長に比べたら権限は無いわ...
でも責任は重大よ。一人でも先走らせたら...それを補う為に分隊が、それを補う為に小隊が、それを補う為に中隊か、それを補う為に大隊が...
つまり貴方達のまとめ具合で軍全体が危機に陥る可能性があるの。...意味、分かるわね?」
「...」
「それを留意して行動して頂戴...以上よ、解散!」
「司令官、再整列を」
「ええ...各中隊、十列縦隊!」
ザッ!
「...うん、大丈夫ね」
今さっきより綺麗に整列してるし...取り敢えず午前中は座学ね。
「一度兵舎に戻って楽な格好に着替えて来て頂戴。まずは座学から始めるから...一度解散!」
...はぁ。
「お嬢様、お疲れ様です」
「ええ...そういえば八百人も収容出来る部屋なんてあったかしら?」
「...え?お、お嬢様...?」
「...まぁ多分大丈夫よ。多分大講堂だったら可能な...筈...」
...多分大丈夫よね...?
...やっぱり上手く書けないわね...
私には向いて無いのかも知れないわね...
はぁ...




