訓練当日の朝 ~公爵令嬢、準備をする~
んー...光が部屋に射し込んで綺麗ね...
コンコン
「起きていらっしゃいますか?」
「ええ、今起きたところよ。あ、顔洗うから持って来て頂戴、運動着もね」
「分かりました、お嬢様」
昨日特訓するって言っちゃったからね...急ぎ運動着を仕立てさせたわ...マーリンに。
...まぁ嬉々として仕立ててたから大丈夫よ、きっと。
にしても本当に良く動いてくれるのよね...何でかしら。
「失礼します」
「良いわよ」
ん?あれが運動着、かしら?
まあ、下手なドレスよりは動きやすそうだけど...
ま、貴族だし、中世辺りだから仕方無いわよね...
私は水の入った桶で顔を洗った...
っ...冷たい!やっぱり良いわね...
「済みました?」
「ええ、終わったわ」
「では着替えましょう」
「ええ」
......
「はい、終わりました」
「もうちょっとどうにかならなかったのかしら?このドレス」
「...と、言うと?」
「フリル辺りの装飾が無いのは良いとするわ。実際邪魔だから...でもまだスカートからは抜け切れないのね...」
まぁ、アフタヌーンドレスだからまだ良いけど...
「...流石にそこまで行ったら評判が...」
まぁ...それはそうなんだけど...
「その代わりに下着にはこのような物を...これでスカートと肌の擦れを無くして着やすく出来ます...」
...何処からどう見てもペティコートよね...
...え?何で知ってるのかって?
...服飾系の学校を卒業した母が居るって有難いわよね...
「...どうしました?お嬢様」
「...それ、マーリンが作ったの?」
「え...は、はい...」
「...それ、商品化して売らないかしら?」
「え...?」
「結構売れると思うのよ、それ」
実際元の世界でも十九世紀、二十世紀、そして現代でもまあまあ流行していたから...
「これを...作って売るのですか?」
「ええ。名前は...貴女が作ったからマーリンコートって名前で」
「...何故コートなんですか?」
「......確かコートは衣を意味するわ...だからよ」
確かそうだった筈だけど...違ったかしら...
「成程ですね...」
「取り敢えず着替え直しね...」
「あ...ごめんなさい...」
......
「うん、今度こそ良いわ」
ロングペティコートね...まぁ、パニエよりは断然良いけど。
「...やっぱり黒が良かったでしょうか」
「いえ、これで良いわ」
私は迷わず即答した。
何故って?...似合い過ぎて逆に怖くなるのよ...私、肉体年齢は十五歳よね...未来が怖いわ...
「分かりました...」
ちょっと拗ねた顔をしながらマーリンは納得...違うわね、諦めたの方が合っているわね...
仕方無いじゃない...そう思っていると...
ぐぅ~...
「お腹が空いたわね...」
「す、すみません!今すぐ持って来ます」
「...え?」
この言葉が口から出た時には既に私しか部屋に居なかった...
......
「ごめんなさい...」
「ううん、大丈夫よ」
実際この格好で食堂に行くのは...憚られたから...。
「この格好で食堂に行くのは厳しいって思ってたから大丈夫よ、マーリン」
「すいません...ありがとうございます...」
「ええ」
私は優しく微笑んだ。
にしても美味しそうね...
形よし、焼き目も綺麗なクロワッサン...甘い匂いね...そして良い焼き色のアップルパイ...食べている時に喉が渇いたら、ちょうど良い温度に少々濃い目の紅茶...!...ごくり...
「いただきます」
まずクロワッサンね...手に取って...あつっ...ふぅーふぅー...いただきます。
はむっ...!外はパリッて焼けてて...中はもっちりとしてて...美味しい!
なによこれ...美味しすぎよ...
そしてアップルパイを...の前に一口紅茶を...匂いは...んんー...甘いけど程よい甘さね...ん...ごくり...ああ...甘いけど少し苦味が出てて良いバランス...そして食道を温かい紅茶が通っていく感覚...!最高ね!
...ああ、もう...語彙力が無さすぎて、美味しさが伝えられない...!
最後はアップルパイね...まず一口目...鼻に近付けたら、ほんのり甘い林檎の匂いが...!...はむっ!...サクッとした生地で口内の水分を吸っていって...直後に甘い林檎の味が...!
...もう駄目...我慢出来ない...!
つい一気に食べ尽くしちゃった...そして一瞬にして口内の渇きを紅茶が癒やしていく...!美味しいわ...
「美味しかったわ」
「ありがとうございます」
マーリンは優しく微笑んでくれた...
...この笑顔、守りたいわね...って、某アニメのネタじゃない...心の中で苦笑しながらそう、思った。
「お嬢様?どうされました?」
「え?ああ、ちょっと考え事をしていただけよ」
嘘は言ってないわよ...嘘は。
「あまり一人で悩み込まないでくださいね?お嬢様の幸せは私の幸せでもありますから。苦しい時は私に話してください」
ああ、もう...優しすぎるわよ...記憶年齢は十五歳と二百八十八ヶ月なのに、ここまで優しかったのは両親位よ...
「...ありがとう、マーリン...貴女って本当に優しいわね...」
すると、マーリンは困惑しながら言った。
「いいえ...私はまだまだです...お嬢様と比べたら私なんて...」
「...え?最後の方があまり良く聞こえなかったのだけど...」
「...秘密です」
「......そう、なら何も聞かないわ」
私は微笑みながら、そう言った。
「...さ、マーリン。そろそろ行こうかしら?」
「はい、お嬢様」
私達は演習場に向かった...
...もうちょっと情景描写上手く書けないかしら...はぁ...
あ、遅くなってごめんなさい...次は出来る限り早く投稿するわ...
あ、感想でなくても戴けたら私は嬉しいわ。
...出来れば...意見頂戴?




