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帰還 ~公爵令嬢、騎士を迎えにいく~

私達はあの後直ぐに彼らを迎えに行った...


「...申し訳ありません!」

「あの人の...あの人の遺体は...?」

「...あちらです」

「ああ...あぁ...」


お兄様は...そう思った瞬間には口から突いて出てきた...


「お兄様の遺体は...」

「...」


首を振った...


「そう......貴方、名前と所属は?」

「...サハロフ、フェルト騎士団副団長です」

「...お母様はあのままじゃ厳しいでしょうから...私が代理で命令するわ」

「!!...何でしょう」

「...騎士団団長になって指揮を取って頂戴。副団長は貴方の信頼出来る人を置きなさい」

「!!...罰は...」

「今の状態で貴方まで無くしたら誰が騎士団の指揮を執るのかしら?」

「!!それは...分かりました。この身、朽ちるまで貴女に仕える事を誓います」

「ええ、お願いするわ。さて、と...まず負傷者をどうにかしないといけないわね...」

「すいません、今動かします...」

「...外に整列させて頂戴、良いかしら?」

「...分かりました」

「...陛下?」

「何だ?」

「失礼を承知ながら申し上げます。よろしければ当家の騎士団を私の指揮下に置いても宜しいでしょうか?」

「普通は無しだが...良いだろう、許可する」

「有難う御座います、陛下」

「...その代わりだが軍費はそちらで出してくれ」

「...分かりました...マーリン?」

「はい」

「予定変更よ、明日はお母様だけ実家に戻らせて」

「お嬢様は...」

「こっちで書類とか色々な後始末をしてから向かうことにするわ」

「分かりました、お手伝いさせて頂きます」

「ええ、お願いね」

「お嬢様、整列しました」

「分かったわ。陛下、申し訳ありません、私はこれで失礼させて頂きたく思います」

「分かった、また後でな...」

「はい」


私は団長と一緒に外へ出た。


「っ...これは...」


酷いわね...


「貴族のご令嬢には辛い光景かな?」

「失礼だぞ、ゾルゲ」

「大丈夫よ...はぁ...El we Libra...」

「うぉ?!」

「傷が癒えていく!」

「ゆ、指が生えてきた!」

「...はぁ、これで大丈夫ね」

「お嬢様、まさか...」

「悪いかしら?」

「い、いえ。有難う御座います」

「...さてと幾つか言うから聞いて頂戴」

「...家族が居るものは、家族を優先したいなら隊列を離れて良いわ」

「お嬢様?!」

「私は責めるつもりは無いし、罰するつもりもない。家族が居るもの、仕方無いわ...家族は...大事だもの...」

「...」


一人の男が前に出てきた。


「お嬢様、申し訳ありません...」

「大丈夫よ、貴方は今まで頑張ってくれたわ...御苦労様」

「お嬢様...申し訳...ありません...本当に...ありが、とうござ...いました...」

「ああ、もう...泣かないの、皆見ているのよ...?」

「本当に...本当に今まで...有難う御座いました...」


彼は私に一礼して、立ち去った...


ぽろぽろと彼らは私の前に並んできた...


......


...意外残ったわね...

およそ、八百名ってところかしら...


「お嬢様、良かったのですか...?」

「ええ...彼らにも家族が居るもの、仕方無いわ...」


私は声を大きくした...


「良く残ってくれたわ。私は貴方達を歓迎するわ」

「おう...!」

「あ、幾ら傷が癒えたと言っても今日はしっかり休む事。また明日はお母様が実家に向かわれるから悪いけど護衛をお願いするわ。流石に帝国内だから大丈夫だと思うけど三十人...で、大丈夫かしら?」

「大丈夫です、お嬢様」

「ん...あ、残りの人達は特別訓練をするから覚悟しておきなさい」


あ、皆顔が真っ青になってる。


「...最後に、貴方達騎士の仕事は殺すことでも、死ぬことでもないわ。


貴方達は殺す為に必要なのでも、死ぬために必要なのでもないの。


この暗い時代、この国の文明を守るために必要とされているのよ。


貴方達の仕事は維持すること、守ること。

奉仕することとわが身を犠牲にすること。


来る日も来る日も、汚く感謝される事の少ない仕事を、力の限り遂行する事。

なぜなら、だれかがやらなきゃ文明が滅びると解っているから。


というわけで、貴方達はそれを引き受けているの。



貴方達の生涯にわたり、貴方達に、貴方達のご家族に、貴方達のすべてのわざに神のご加護がありますように...以上よ、解散」

「...」

「...サハロフ、何で皆解散しないの?」

「...」

「サ~ハ~ロ~フ~...」

「はっ...か、解散!」


あ、解散した...


「固まってたけどどうしたのかしら?サハロフ」

「い、いえ。お嬢様の言葉があまりにも素晴らしくて...」

「そう、かしら...」

「はい、お嬢様」

「そう...有難う、サハロフ」


私はサハロフに護衛されて、部屋に戻った...

次回は間話よ。

時間軸はシャイデルがトゥール王国から逃げ出した後よ。

お楽しみに、ね。

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