遺品、そして... ~公爵令嬢、謁見する~
重厚な扉が目の前に現れた。その両端には体格の良い兵士が守っていた。
「こちらです」
兵士が重厚な扉の取っ手を持ち、ゆっくり開けていった...
その中にはまるで威光を放つかのように小銃ニ挺、拳銃一丁、機関銃ニ挺、大砲三門が鎮座していた...
「...これは」
「どうしたの?シャルン」
「え...格好良いって思っただけ...」
...モシンナガンにM1916...ナガンリボルバーか...マキシム...いやマキシムのロシア改造か?
他は分からないな...
「...ねぇ、これと同じもの作れないかな...」
「え...?」
「同じもの作れたら魔法無くても国守れるよ...?」
「...陛下に伝えてみます」
「お願い」
製造ラインが出来るのは...出来れば半年の間には出来て欲しい...正直トゥール王国が怪しいからな...
(...私ちょっと疲れたわ...)
(お、おう?了解は、した)
(おやすみなさい...)
(え、あ、ちょ...)
......
仕方無いわね...あ、また口調戻ってる...
...私が私とシャイデルと会っている時は元の口調に戻るのに...一体どんな原理なのか知りたいわね...
「何か書くものと紙は無い?」
「ちょっと高価なので少し厳しいです...」
「...羊皮紙、ね」
「はい、お姉様」
「そこから、ね...陛下に謁見出来ないかしら...」
「そう、ですね...少しお待ち下さい」
「その必要は要らん」
!!まさか、陛下?!
振り向いて見てみた。
「陛下...」
私は反射的に跪いた...
「よいよい。面を上げよ」
「は...分かりました...」
私は顔を上げた。
「うん。...シャイデル・キーフ・フェルトよ」
「何でしょうか、陛下」
「そなたはこの国に忠誠を誓うか」
「...いえ、誓いません」
「...ほう?それは何故だ」
「...私が忠誠を誓うのは陛下、貴方一人だけだからです」
「...ハッハッハ...そうか、儂に、か...シャイデル」
「はい」
「そなたが帰って来たらこの国の改善点を教えてくれ」
「陛下、それは...」
「良いな?」
「...はい、分かりました」
「現時点で改善点を言えるのなら書記官に書かせよう」
「...でしたら...まず一点目は紙の製紙法の改善という点です」
「ほう...?」
「現時点で我が帝国は羊皮紙を使用していますね」
「ああ、そうだな」
「しかし、製紙方法は難しく、また生き物なので不安定な供給ですから高価です」
「つまり?」
「植物から作るのです」
「植物から、だと?」
「はい。我が国では針葉樹が良く育つので針葉樹で良いのですが。まず木を伐採します。ただ株は残しておきますが」
「それを...?」
「伐採した木の皮を剥ぎまして、木は細かく砕いて、洗って、煮ます。
それを型に流し込みまして、圧縮しながら乾燥させれば完成です。
また皮も、砕かず同じ様にすれば一味違う紙が出来ます」
「...書いたか?」
「はい。つまり伐採、皮剥ぎ、砕く、洗う、煮る、圧縮乾燥ですね」
「はい、そういう事です。材料には大きな鍋と型が必要ですがそれさえあれば...」
「分かった、用意してくれ」
「分かりました」
「他にあるか?」
「...あの武器の製造を」
「...良いだろう、そうしよう」
「あ、大きさの規格は統一で」
「そこは大丈夫だろう...」
「...あとは帰って来た時に紙に纏めて提出します」
「分かった」
...他にも色々あるけど仕方無いわよね...国力を上げていかなければ結構厳しい状態だから...
...あ、アンモニア...
「陛下、よろしければ生物と糞尿も集めいただければ、と...」
「...何故だ?」
「生物と糞尿を発酵させれば肥料が出来ます。土地が肥えていない我が帝国においては救世主のような役割を果たすのです。また同時にアンモニアというものが出来まして、紙を作る際に使えるのです」
「...分かった、そうしよう」
...同時に火薬も作らないといけないわね...
さ、頑張らないと...
そんな事を考えていると一人の兵士が部屋になだれ込んできた。
「無礼を承知で申し上げます!フェルト領騎士団が撤退して参りました!」
「何?!あの精鋭騎士団がだと!」
「並びに訃報を申し上げます!チャールズ・キーフ・フェルト公爵殿下、ジョン・キーフ・フェルト様が亡くなられました!」
っ...お兄様とお父様が...!
「嘘...よね...あなた...あなたー...!」
...更新遅くなってごめんなさい...予備はあるから次の更新は数日内には出来る筈よ、これからもよろしく頼むわ。




