第8話愛の味噌汁
ひとまず凛の胸を掴んでいる俺の両手を、凛の腹部に移動させた。
そして、凛を引き起こし安定するよう立たせた。
凛はまだ無言でいるので、
「凛ちゃん肉じゃがありがとう。食べられなくなっちゃったけど、人の手料理とか何年ぶりだろう。俺は嬉しいよ。」
「…………」
無言の凛。
「ほら、まだお味噌汁が残ってるよ。これだけでもありがたいな!一緒に食べよう」
……
「はあ〜、気を使わせましたね。こんなんだから23にもなって彼氏がいないんだよ。」
溜息をつく凛。自嘲ぎみだが、元気が戻ってきたのがみえる。
ははは、38にもなって彼女がいない男もいるんだよ。
俺も心の中で自嘲した。
「よし!お味噌汁食べよう。凛ちゃんのお味噌汁楽しみ」
凛の口角が上がる。ムフっと鼻息をし、
「楽しみにしてください!葉山家のお味噌汁は美味しいんですから」
元気になって良かった。
2人で肉じゃがを片付け、白米と味噌汁を食べた。
凛の味噌汁は豆腐とワカメの味噌汁で何の変哲もない感じだが、味が深い。
出汁が良いのか、普通の味噌汁とは格が違う感じがした。
「美味しい!美味しいよ!本当に!普通の豆腐の味噌汁に見えるのに何でこんなに美味しいんだ?」
ふふふ、と凛が笑っている。
「愛ですよ、隊長ー!」
ぶふっと味噌汁を咳き込む俺。
それを笑う凛。
「あーん、したいです」
白米を箸でつまみ俺の口に差し出す。
「ははは、からかわないでよ!」
と、あーんを断るがなかなかに凛との雰囲気が良い。
これは、いっても良いのか?
凛は俺に好意があるのか?38歳の年齢=彼女いない歴童貞には23歳の女の気持ちがわからず、笑って余裕を出すことが精一杯だった。
その後、凛と話し合い。
凛は俺の住所を怪物退治の連絡用アプリでわかった。
俺の部屋は窓が開いていたからそこから入った。
凛は市役所で働いていること。
を教えてもらった。
白米と味噌汁を食べ終わり、2人で片付けをした。
食器を洗っている最中、凛から突然
「夫婦みたいですねー付き合っちゃいますかー?」
「ーーーあはは、止めてよー」
とキラーパスが飛んできた。
内心は心臓バクバクでどうすれば良いかわからず、はぐらかすことしか出来なかった。
そして、片付けを終え凛が帰ることになり、送ろうか?と聞くとバイクで来たので!
と言い、凛はバイクで帰って行った。
凛が帰った後、部屋の中で反省会を開いた。
いまだに凛の胸の感触が両手に残っている。
柔らかい、暖かい、安心する女性の感触。
俺には似つかわしくない。
凛は俺のことが好きなのか?
あの時もしかして付き合うことができたのか?
いやいや、まさか……
まさか…
女日照りで、親に子供を見せることができない。
悲しい独身おっさんの性。
今日は本当に刺激的な日だった。
俺の欲しいものが手に入るかもしれない……
でも、どうすれば良いんだ…
チャンスなのか?どうなのか?わからない。
チャンスだとしてもどうすれば!?
と、反省と後悔を俺はした。
嬉しい日だったが、悲しくもあった。
たぶん、俺は一生彼女ができないんだろうと思ってしまった。
凛の暖かみが俺には辛かった。
読んでいただきありがとうございます。
駄文ですが頑張ります。
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