↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん隊長になる〜ぼっちのおっさんに仲間ができました  作者: プラチナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/25

第23話38歳、変わる毎日

 俺は軽バンを道路脇に停め、次の配達先を確認していた。


 助手席には、まだ配達を終えていない荷物がいくつか積まれている。


「あと20個くらいか……」


 伝票をめくりながら、小さく息を吐いた。


 今日もいつも通りの配送業務。


 午前中に100個、午後に100個。


 特別なことは何もない。


 ただ荷物を積んで、届けて、また次の場所へ向かう。


 そんな毎日だ。


 ふと、バックミラーに映った自分の顔を見る。


 少し疲れた顔をした38歳のおっさん……


 髪にも白いものが混じり始め、以前よりも無理が利かなくなった。


「……年取ったなあ」

 思わず苦笑する。


 昔は38歳なんて、もっと立派な大人だと思っていた。


 仕事もできて、家庭もあって、人生をしっかり歩んでいる。


 そんなイメージだった。


 ところが実際の俺は、独身で、相変わらず軽バンに乗って荷物を運んでいる。


 まあ、これが俺の人生なのだろう。


 そう思いながらスマホを手に取った。


 画面には、昨日のグループメッセージが残っていた。


「隊長ー!今度みんなでご飯に行きましょうよー」

 凛のメッセージ。


「いいっすねー!僕も行きたいです」

 続いて凪。


「私も参加します!楽しみです!」

 ましろ。


 その後も、他愛のないやり取りが続いていた。

 俺はそれを見て少しだけ口元を緩めた。


 以前の俺なら、仕事が終われば家に帰るだけだった。


 休日も特に予定はなく、誰かと連絡を取り合うこともほとんどなかった。


 それが今では、仕事以外にも楽しみができた。


 凛と話をしたり、凪にからかわれたり、ましろの明るさに元気をもらったり。


 若い彼女達と一緒にいると、自分がずいぶん年を取ったことを実感する。


 話題についていけないこともあるし、体力だって敵わない。


 それでも、不思議と居心地がよかった。


「……ありがたいな」


 誰に聞かせるわけでもなく、そう呟いた。


ピロン。


 スマホが震えた。

 凛からだった。


「隊長、今日もお仕事ですかー?」


「そうだよ。今、配送の途中」


「お疲れさまです。無理しないでくださいね」


 短いメッセージだった。

 俺は少し考えてから返信する。


「ありがとう。そっちも頑張ってね」

 すると、すぐに返事が来た。


『はい!また今度会いましょうねー』


 ふふっ、俺は小さく笑った。


 画面を閉じ、スマホを助手席に置く。


「さーて、そろそろ仕事に戻るか〜」


 軽バンを発進させる。


 窓の外には、夕暮れの街並みが広がっていた。


 38歳……


 若い頃に想像していた自分とは、ずいぶん違う人生になった。


 もっと立派な大人になっていると思っていたし、こんなふうに毎日を過ごしているとも思わなかった。


 それでも最近は、少しだけ毎日が楽しみになっている。


 仕事が終われば、誰かと話せるかもしれない。


 休日になれば、みんなと出かけられるかもしれない。


 そんな小さな楽しみが、今の俺にはある。


「……悪くないよな」


 いつもと変わらない配送の仕事。


 いつもと変わらない帰り道。


 けれど、ほんの少しだけ毎日が明るくなった気がする。


 明日も頑張ろう。


 そんなことを思いながら、俺は最後の配達先へと車を走らせた。

面白かったと思ってもらえましたら、評価などいただけると嬉しいです。


また、完結済の作品『おっさん少女になる』もございますので、そちらもごらんいただけましたら幸いです。

こちらは金髪美少女TSものになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。