第19話レベルが上がる
俺たちは街から離れた廃墟地帯に来ていた。
今回の目的は、前回約束した通り新しく作った武器の試し撃ち。
実戦で使ったときに、どれくらいの威力を発揮するのか。
それを確かめるため、討伐レベル15の依頼を選んだ。
今回の相手はケロケロ。
カエルのような姿をした怪物で、初心者が最初に戦う相手としても知られている。
とはいえ、今回は数が60体ほどいてこの廃墟を支配している。
油断は禁物だ。
「よーし! 新武器の実力を見せるっすよ!」
凪はバーサークライフルを構えやる気満々だった。
「私もやりますよー!」
「2人とも、油断しないでくださいね」
凛も自信満々に胸を張り、ましろが心配そうに声をかける。
うん。
いつも通りだな。
「じゃあ、行こうか。まずは1体、確実に仕留めよう」
「了解っす!」
俺たちは廃墟地帯の奥へと進んでいった。
しばらくすると、家屋の向こうから奇妙な鳴き声が聞こえてきた。
「ケロッ!」
現れたのは、体長1メートルほどの緑色の怪物。
ケロケロだ。
その数3体。
「いたぞ。凪、正面の1体を頼む。凛は右側、ましろは左側を警戒してくれ」
「任せてくださいっす!」
凪はバーサークライフルを構えた。
ケロケロが大きく口を開き、こちらに飛びかかってくる。
だが、凪は慌てなかった。
「そこっす!」
ダダダダダッ!!
紫色のライフルから弾丸が連続して放たれる。
弾丸はケロケロの胴体に命中し、その体を吹き飛ばした。
「おおっ! 一瞬っすよ、一瞬!」
凪が目を輝かせる。
以前の武器なら、もっと弾を撃ち込む必要があったはずだ。
バーサークスネークの素材を使っただけあって、威力が大幅に上がっている。
「いいぞ、凪!その調子だ!」
「はいっす!」
そのとき、右側から別のケロケロが飛び出してきた。
「次は私!」
凛がバーサークマシンガンを構える。
ケロケロは地面を蹴り、凛に向かって一直線に飛びかかった。
「ふふっ!」
ダダダダダダッ!!
凛のマシンガンが火を噴いた。
連射された弾丸がケロケロを捉え、一瞬の内に木っ端微塵にした。
「どう?見ましたー?」
「うん、見てたよ。いい射撃だった」
「ふっふっふー!」
俺が褒めると凛は嬉しそうに笑った。
「最後は私ですね!」
ましろがバーサークライトマシンガンを構えた。
左側にいたケロケロが、こちらの隙をうかがっている。
「ましろ、焦らなくていい。相手の動きをよく見て」
「はい!」
ケロケロが跳び上がった。
ましろはその動きを見極め、引き金を引いた。
ダダダダダダダッ!!
重厚な銃声が廃墟に響き渡る。
連続して放たれた弾丸がケロケロに命中し、その体を粉砕した。
「やった…!」
ましろが小さくガッツポーズをした。
「うん。よくできたな」
「ありがとうございます!」
ましろは満面の笑みを浮かべた。
難なく3体のケロケロを討伐し、その後も残りのケロケロを討伐した。
新武器の性能を確かめるという目的は十分に果たせた。
「いやー、すごかったっすね! バーサークライフル、めちゃくちゃ強いっす!」
「私のマシンガンも最高だったわ!」
「私の武器も、ちゃんと威力が出ていてよかったです!」
3人とも、新しい武器に大満足の様子だった。
今回の戦闘で分かったことは多い。
武器の威力は十分過ぎる。
ケロケロ程度なら瞬殺ができる。
それに60体のケロケロを倒しても生命力切れを起こしていない。
「よし依頼完了。今日の試し撃ちはここまでにしよう」
「えーっ! もう終わりっすか?」
「最初から無理をする必要はないよ。今日は武器の感触を確かめるのが目的だからね」
「むむむ…それなら仕方ないっすね」
凪は少し残念そうだったが、すぐに笑顔を取り戻した。
「でも、次の討伐が楽しみっす!」
「そうね。今度はもっと強い怪物と戦ってみたいかも」
「私は、まず今日の反省点を復習しておきます!」
3人それぞれ、次に向けて意欲を見せていた。
頼もしくなったものだ。
以前なら、怪物を前にしてこんなにも余裕なんてなかった。
「みんな、今日はお疲れ様。次の討伐もこの調子で頑張ろう」
「はいっ!」
こうして、俺たちの新武器の試し撃ちは無事に終了した。
帰り道、三人は新しい武器の話題で盛り上がっていた。
その楽しそうな姿を見ながら、俺は思う。
次の討伐もこのメンバーならきっと大丈夫だ。
だけど、俺も隊長として頑張らなくては…
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