第15話会いたいけど会いたくない。
「何もなければそれで良い。
その時は隠れてやり過ごそう。
ましろ達が危ない目にあっていたら加勢しよう」
杞憂なら良い、だが、今回はましろ達が死ぬ確率が高い。
俺はいてもたってもいられず、ましろ達がいる南都市の廃墟に車で向かった。
南都市の廃墟に到着。
ここは南都市の境界線であり廃墟と化した街並みがある。
車を停め、周囲を窺う。
ドン!ゴゴン!パパパッ
遠くから戦闘音が聞こえる。
戦闘が始まっている。俺は急いで音の鳴る方へ駆け出した。
舗装はされているが、所々陥没している道路を走り、
300mは走った所で前方から血相を変えた男が1人走ってきた。
そして、俺を見つけ慌てた様子で声をかけてきた。
「おい!お前!この先は怪物がいるぞ!早く逃げろよ!」
この顔見覚えがある。今回の怪物退治のメンバーの高田だ。
「バーサークスネークの退治メンバーだな。他のメンバーはどうした?」
「知るかよ!酒井はへまやって死んじまったが、他の奴らはまだ生きてんじゃねー?」
ああ、やはり杞憂ではなかった。
高田の言動に怒りを覚えたが、それ以上にましろ達の安否が気になった。
俺はまた駆け出し、廃墟の家屋の合間を縫って、最短ルートで戦闘音のする方向へ進んだ。
もし、ましろ達に何かあれば俺はあの男を八つ裂きにするだろう。
怒りと焦りで精神がおかしくなりそうだ。
それでも、必死に走り現場へ向かった。
廃墟の家屋群を超え、広い空き地に出る。
そこには5体の巨大な蛇、バーサークスネークと3人の隊員が必死に戦っているのが見えた。
ましろ、凪、凛、良かった!まだ死んでいない。
凪と凛が前衛になり、アサルトライフルで距離を保ちながら弾幕を張っている。
それを援護する形でましろがライトマシンガンを構えている。
3人共負傷はしている。タクティカルジャケットから血が滲んでいるが何とか立ち回っている。
しかし、このままではジリ貧だ。
バーサークスネークはまだ1体も倒していない。
硬い鱗で弾丸が弾かれダメージがあまり通って無いように見える。
俺は背中に担いでいる両手剣アブソリュートを抜いた。
そして、アブソリュートに生命力を吸わせる。
するとアブソリュートは紫色の光を放ち、剣から冷気が漏れ出した。
そのまま、バーサクスネーク目掛けて薙ぎ払いを行う。
アブソリュートから紫色の冷気が放たれバーサクスネークを包み込む。
「インブレイス…」
一瞬で5体のバーサクスネークは氷漬けになった。
即死とはいかない。まだバーサクスネークは微かに動き生きている。
だが、暴れ出すことはもうできない。
それを見て俺は安心した。
それと同時にましろ達が俺に気づいた。
心臓が早鐘のように鳴る。
俺はあいつらの隊長を辞めた身、どの面下げてあいつらに会いに行けばいいんだ?
さっきまでましろ達をこれでもかと心配をしていたのに、
今はもう会いたくない。
でも、気づけば……
ーー俺はましろ達の元に駆けて行った。
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