表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【9000PV感謝&4章完結】異世界★魔法少女― 転生初日に聖女扱いされましたが、変身が罰ゲームすぎます! ―  作者: もりやま みお
第4章 鉄の掟と、鋼の乙女【ドワーフの里編】
77/86

システムオールグリーン!唸るマジカル・パイルバンカー!!

 フワッと体が浮かびあげる。


 ウィィィィィン……ッ!

 光の中で、あたしの身体を構成する魔力が、強引に無機質なパーツへと組み替えられていく。


 まずは右腕。

 ガキィィンッ!!という重低音と共に、肩から先が、ゴツゴツとした巨大な機械腕(ロボアーム)へと換装される。

 続いて左腕。

 ガシャンッ!!と右腕と同じく、重厚な金属の光沢を放つ巨大なアームが装着される。


 次に、光のスポットは脚部へと移る。

 右足にガシャコンッ!

 左足にガシャコンッ!

 膝下を完全に覆う、分厚い装甲の機械靴(ロボブーツ)が装着され、床を踏みしめるたびにズンッ、と重苦しい音が響く。


 そして極めつけに、背中。

 鋭利な刃を並べたような機械の羽が左右に大きく展開し、「プシューッ!」と小刻みに排熱の蒸気を吐き出して駆動を始めた。


(おおお……!なにこれ、ロボットアニメの主人公機みたい!すっごいカッコいいじゃない!)


 あたしは無意識のうちに、両手の巨大な機械の拳を顔の前にかかげ、「グー、パー」と動かしてみた。

 ウィィィン……ガシッ!ガシッ!と、精密なモーター音が鳴り、自分の意志と完璧に連動して鋼鉄の指が動く。


(よし、駆動系ヨシ!これならいける!)


 重厚なフォルムと圧倒的なパワーの予感に安堵した、次の瞬間。

 ――スースー。

 坑道を吹き抜ける冷たい風が、あたしの『腹部』と『太もも』をダイレクトに撫でた。


(……あれ?)


 慌てて視線を落としたあたしは、絶望のあまり巨大なロボアームで頭を抱えそうになった。


(ちょっとアル! ボディは! ボディーはどこへいったのよおおお!!)


 上は体に密着したスポブラのような装甲インナー。

 下はローライズのショートスパッツ。

 腕と脚は超重装甲なのに、肝心の胴体部分の露出度が高すぎる。

 あたしの引き締まった(?)腹筋が、ものの見事にあらわになっていた。


(また、体が勝手に……)


 あたしの羞恥心などお構いなしに、いつものように体が自然と動き出す。


「鋼鉄の拳で悪を砕く!装甲魔法少女(アーマード)サクラ!システム、オールグリーンッ!」


 シャキィィィィンッ!!


 背中のスラスターから勢いよく蒸気を噴き出しながら、あたしはバシィッ!と完璧なポーズを決めていた。


 両手両足はゴツいメカ。

 だけどお腹は丸出し。

 計算し尽くされたアンバランスの極致に、後ろで見ていたカイルとリナが「おおおお……ッ!」と息を呑む気配がした。


「な、なんだよそりゃあ!?」

 案内役のジジがドン引きしている。


(何がオールグリーンよ! こっちの羞恥心はとっくにオールレッドよ!)


 死にたい。

 今すぐ、岩の下に潜り込みたい!


 (……本当、毎度毎度、このクソ毛玉は……。後で絶対ぶん殴る!)


 羞恥心が怒りへと変わっていく。


 そう心に決めたあたしは、とりあえずこの怒り目の前の対魔鉱石にぶつけることにした。


(この変身なら、ぶっ壊せるってことでしょ?)


 あたしは、ガシャンガシャンと後ろに下がると、拳に岩盤を撃ち抜くイメージを込める。


こんな岩盤(マジカル・)、|さっさと砕け散れぇぇぇ《パイルバンカー》!!」


 ドゴォォォォォォォォンッ!!!


 巨大な鋼鉄の拳が岩盤に激突した瞬間。

 魔法を弾くはずの対魔鉱石が、凄まじい爆音と共に粉々に砕け散った。


 しかし、威力はそれだけでとどまらず、さらに奥の岩盤も貫通した。

 鉱山全体が揺れるほどの衝撃。

 天井から小石がパラパラと降り注いだ。


(これ、別の岩が崩れ落ちてきそうなんだけど……)


 舞っていた粉塵が晴れると、坑道を塞いでいた岩盤は跡形もなく消え去り、その奥から青白く眩い光が漏れ出していた。


「こ、これは……ミスリル鉱の新しい鉱床だ!」


 ジジが震える声で叫び、へたり込んだ。


『目標は完全に沈黙したようだ。さあ、この結果をガラムに報告しに行こうか』


(……最初から沈黙してたけど?)


 あたしは、とりあえずほっと一息つくと、変身を解いた。


 ◇◇◇


 新たな鉱石の発見という大金星を手土産に、あたしたちは坑道を後にして帰路についていた。


「お嬢様のあのお姿、柔と剛のあのアンバランスさ、特にその太もものライン。まさに聖域……」

「なんという破壊力、このカイル感服致しました!」

「まさかミスリルの鉱脈まで掘り進めちまうとは……。人間にも色々いるんだな」


 みんな好き勝手に言いたい放題だ。

 呑気な会話をしながら坑道の出口が見えてきた、その時だった。


 ――ドドドドドッ……。


「え?」


 足元から、微かな振動が伝わってきた。


(まさか鉱山崩れたりしないわよね?)


 あたしの、不安を見抜いたかのようにアルが念話を送ってくる。


『スズネ、鉱山じゃない。魔族の襲撃だ』


(え? 魔族の襲撃?)


 同時に、あたしの左手首――眷属通信(マジカル・ライン)のブレスレットが、けたたましい通知音を鳴らし始めた。

いつもこの作品をお読みいただき、ありがとうございます。


『面白かった』『続きが読みたい』と思っていただけましたら、下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします!


面白かったら★5つ、つまらなかったら★1つ、正直な感想で結構です。


また、ブックマークもしていただけると嬉しいです。

皆様の応援が、作品執筆のエネルギーになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ