093(想定外の攻撃)
俺は、スコットに回復魔法をかける。回復系は初めてだが、魔法はイメージだ。えい! 両手を患部に当て元通りになれと願う。
ホワ〜ン。スコットの身体が緑色の光に包まれ、傷口が治り、失った手足が再生する。…………良かった。意識はないが、脈はある。
俺はグシャグシャになったスカイレインのドアを蹴破り、外に出る。辺り一面、瓦礫の山だ。スカイレインの自爆じゃない。外からの攻撃? 悪魔の仕業か!?
空は白い光に包まれていた。悪魔は退散したか?
俺は再び、メンソ国王とテレパシーをする。
「メンソ国王、悪魔は退散したのか? 空の色が変わったぞ」
『ソウ! 天使だ、天使が助けに来てくれたんだ!』
「俺の出番はなかったね、アハハ」
『宮殿で休むといい』
ズドーン! ズドーン! …………攻撃? 街の方だ。白い羽根が背中に付いてる、天使が街を攻撃していた。
「メンソ国王! 聞こえるか!? 天使が街を攻撃してる! どうなってる!?」
『何!? 羽根の色は?』
「白だ」
『フォールダウンしてないのか…………国民のためだ。ソウ、天使でも悪魔でも、我々ラークバロン公国を攻撃する者は成敗しろ』
「了解!」
俺は急いでラークスーツのドックへ向かう。途中、バロン酒の瓶を持っていた観客のジイサンから、すれ違いざまに瓶を奪う。代わりにジイサンの胸ポケットに札を1枚入れる。
「ああ……、ワシの酒」
「釣は要らねえ、取っときな」
「おお! 100万イース!」
しまった……一番デカイ札だったか。しかし、構ってる暇はない! 俺は走りながらバロン酒の栓を抜き、らっぱ飲みしてドックへ行く。
ロイ親方が操作してGTラークがハンガーから降ろされるところだった。
「ロイ親方、いつでも行けるぞ」
「相手は天使だ。生きて還ってこいよ」
「いざとなれば、ムーンレイだ」
「ジャックとソルジャーが先攻した。ソウも続いてくれ」
「分かった」
俺はジャンプしてGTラークのコックピットに乗り、ハッチを閉める。
ジジ……ジジ……。
『ソウ、フルウェポンだ。ハッチを開けずにムーンレイを放つ事が出来るぞ』
「有難い…………。南木曽、GTラーク、行きまーす!」
俺はGTラークを駆り、ドックから飛び出す。




