089(スサノオノミコト)
――その日の午後は平和だった。俺は、ジンボ王子とテレパシーで連絡を取り、魔法使いのオーディション開催が決定された。明日の朝にスタートだ。登録者に一斉通知したみたいだ。アツシも参加させてもらう約束も取り付けた。
俺はシモベのジイサンに案内されて、塔内の牢獄へ行く。
「ソウ先輩! 助けてください!」
牢獄は明るく、綺麗に清掃されている。ゴミ1つ落ちてない。鉄格子の奥に、アツシが居る。
「アツシ、現世に来たからには、魔法使いになれ。明日の朝に魔法車でレースをしてもらう。そこで優秀な成績を修めろ」
「魔法使い!? 魔法車ってなんすか!? 悪い夢だ!」
「夢だと思っていてもいい。明日は勝てよ」
「よく解りませんが、分かりました〜」
俺は部屋に帰る。寝るか。装備を外し、シャワーを浴びてから、ベッドで眠る。
俺は雲の上に居た。神様!? 生きてた?
「神様ー! 出てきてくれー!」
神々しい光が近付いてきて、人型になる。神様!
「青年、南木曽よ。ワシャ疲れた」
「無事で何よりだ。悪魔を1匹倒したぞ」
「ガーゴイルだろう。南木曽よ。ワシの読みが変わろうとしている。天界と魔界の戦争は天界の勝ちだが、多くの天使が堕天使へとフォールダウンした」
「悪魔は人間界に侵攻してくる?」
「…………それは言えん。裏切る事になる」
「何で? 誰を?」
「大天使ミカエルまでもフォールダウンした」
「そりゃやべーな。ルシファーは?」
「サタンの事か? 天照大神が抑えている」
「キリスト教と神道。何でもアリだな」
なんか神様にミスリードされてるような…………?
「お前にはスサノオノミコトが着いている。スサノオを使え」
「日本神話でしょ? スサノオノミコトはなんとなく分かるけど、スサノオって何? 魔法?」
「神道魔法と呼ばれている術。現世にはない魔法だ。ありとあらゆるものを一刀両断できる魔法剣で、悪魔のバリアすら紙の様に斬れるぞ」
「そいつぁスゲーや」
「それと、ヤマタノオロチもできる。ヤマタノオロチとは、同時に8つの剣が使える魔法だ」
「そんなにチート能力を貰っちゃって悪いな、神様」
「お前は神と同等の魔力を持っている。天界を救うかもしれんな」
「俺に任せておきな〜」
「そろそろ朝じゃ、行け!」




