086(ソウvsガーゴイル)
ガーゴイルは呪文を唱え始めた。そして、斬撃波が飛んでくる。俺は瞬時にホバー移動で右に避ける。ガシャン! ――ピクピク……左腕がいてえ。避けきれず、ラークスーツの左腕が切り落とされたか。
ガーゴイルは飛んで、ラークバロン公国の塔へ向かった。俺が戦闘不能と見誤ったな!?
俺はハイジャンプしてガーゴイルの裏を取り、ハッチを開ける。
「月の精霊よ、力を貸せ…………ムーンレイ!」
ズドーン!! クッソ熱い! 熱風を浴びた。しかし…………!
『…………ガーゴイル消滅! 魔素計0パーセント! やったぞ、ソウ!』
ガシャン! 俺は着地する。フゥ〜、危なかったぜ。30パーセントほどに威力を絞ったムーンレイだったが、やっつけれて良かった。
「まさか、模擬戦中に悪魔が現れるとはな」
『こちら、ロイ。ソウ、無事か?』
「ああ、なんとか。ラークスーツの左腕を切り落とされたから回収しといて」
『分かった。ドックへ帰還してくれ』
「了解」
俺はラークスーツを操り、ドックへ入る。ラークバロン公国の皆は拍手喝采だ。メンソ国王自ら、はしごを持ってきた。
「メンソ国王、魔素計ってのは?」
「0パーセントのままだ。暫くは悪魔は来ないだろう」
俺は、メンソ国王がかけてくれたはしごを伝って地面に降りる。
「それでも、油断はできない。弾を実装へ、ラークスーツを量産してくれ」
「あい、分かった。本当に指先1つで悪魔を倒すとはな」
「両手だけどね」
ロイ親方も来た。
「ソウ、お前は凄い才能だ。応用力もある」
「褒めても何も出ないぞ〜、アハハ」
「兄上、ラークスーツの量産を早急にする」
「兄上?」
「ソウは知らんかったか? 私とロイは兄弟なのだよ」
「ええー! マジかよ。知らなかった。メンソ国王の弟がロイ親方!?」
「そうだ。……兄上、魔法車の製造ラインを組み換える」
「頼んだぞ、ロイ。私はマルボロバロン国へ報告する。皆の者、見物はお仕舞いだ!」
ぞろぞろと野次馬は去っていく。1人、ババア残して。
「コウ! 無事で良かった。さあ、お家へ帰りましょ。もうあんな無茶をしてはダメよ」
「オバサン、人違いだよ」
「コウは人が変わってしまったわね。国王のせいかしら」




