079(最後の導き)
「ソウ様、時間ですよ。空挺発着所へ行きましょう」
「ターニャも行くの? マルボロバロン国に」
「はい。私はラークバロン公国とマルボロバロン国の架け橋なのです」
メンソ国王とクラウディア女王の娘……確かにな。
俺はターニャに案内され、宮殿西側3階の空挺発着所へ着く。10機くらい、100メートル級の船が浮いていた。桟橋にロープで繋がれている。
「ソウ様、1号挺です。着いてきて下さい」
俺はターニャの後を着いていき、一番左の船に乗り込む。甲板には既にラークスーツのプロトタイプ機が搬入済みだ。
ゼニア姫やジャック、兵士とクルー数人が居た。
「全員乗ったな〜!?」
船長らしきオッサンが号令を掛ける。
「おおー!」
空挺がゆっくりバックして南を向く。ゴーーー! とブースターのような轟音して徐々にスピードを上げていく。
俺はジャックに話し掛ける。
「マルボロバロン国まで何時間かかるの?」
「2時間ほどだ」
「何でラークスーツのプロトタイプを運搬するの?」
「マルボロバロン国で独自開発をしてもらうためさ。今のところ、メンソ国王やアン様の占いを信じてるのはラークバロン公国とマルボロバロン国だけだからな。アン様の占いというのはなっ……」
「知ってる。地球が荒れるんだろ?」
「そうだ。悪魔の手により」
「ジャックは信じてるのか?」
「アン様の占いは当たると評判だが、半々だな」
「神様が居るくらいだぜ? 悪魔も居るよ」
ジャックが俺に瓶をパスした。……バロン酒か?
「飲んで、仮眠をとってくれ」
「神様と交信しろって事?」
「そうだ」
「神様はたまに勉強会に行ってるから、交信は100パーセントじゃないよ」
「それでも頼む」
「仕方ない。やるよ」
俺は空挺の左舷の壁にもたれ掛かり、座る。バロン酒の栓を抜き、らっぱ飲みをする。空きっ腹に効くぜ。空挺が切る風が心地いい。おやすみ…………。
――俺は眠りに着くと、雲の上に居た。空挺じゃない。
神々しい光が近付いてきて、人の形になる。神様!
「青年、南木曽よ。聞きたい事は分かっている。悪魔の事だろう?」
「分かってるなら、話は早い。教えてくれ」
「ワシがお前を導けるのは、今回が最後かもしれん」
「何で? チート終わり?」
「それはな…………」




