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062(タバコ名)

 俺は目が覚めると、外が暗かった。電気点けと念じると、部屋の灯りが点く。


 何気なく、100万イース札の束を数える。1……ダミー…………。上下1枚ずつだけ本物で98枚はダミー紙幣だった。やるな、フレーバ元王妃! それでも200万イースだ。落とさないようにしないと。


 腹が減ったな。とりあえず、宴の間に行くか。


 宴の間には騎士団員、ソルジャーが数人居た。まだ夕飯には早いかな。壇上にはメンソ国王が浮かない顔でバロン酒を飲んでいる。フレーバ元王妃の亡命で気を落としているのだろう。下手に元気付けようとしても更に気を落とさせてしまうな。


 俺はテーブルにあったフライドチキンを5個食べて宴の間をあとにする。


 そして、ワープエレベーターで下界に行く。街灯が点っていた。これも魔法だろう。


「バカ野郎ー!」

「すみません、すみません」


 なんだ、なんだ? ドックの方から怒鳴り声が聞こえた。ちょっと節介してやるか。


 俺はドックに入ると、ロイ親方と整備士のあんちゃん、レンだったかな?


「よう、どうした〜」

「近衛兵のソウ! 丁度いいところに来た」

「何事だ、ロイ親方」

「レンの奴、間違えてスカイレインのリアウイングを逆向きに取り付けやがった」

「すみません、すみません」

「レン、ダウンフォースの事を知らなかったみたいだけど、逆向きに取り付けたら揚力が働いて空を飛んじまうよ」

「すみません、ソウ様」

「まあ、ミスは誰にでもある。同じ間違えは2度としないように心掛ける事だ」

「ソウはアマっちょろいな」

「死人が出た訳でもない。俺は車に対しては真摯なのさ」

「全く! 最近の若い者は!」


 そう言い残して、ロイ親方はドックの奥へ行った。


「レン、緊急事態になったとしても、他のスカイレインがあるし、今は大丈夫だ。失敗から学ぶんだぞ?」

「ありがとうございます。ソウ様」

「じゃあな」


 俺は歩き出してから後ろを振り返ると、レンは深々と頭を下げていた。


 俺は夜の繁華街を歩く。まずはタバコ屋にでも、寄ってみるか。そういや、今の世界はタバコに由来する名前や地名が多いな。ラークとかマルボロとかケントとか。ウエストやブライトもあるのかな?

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