061(ペット)
「そういや、ジャックは?」
「ペットの世話よ」
「ペットなんて居たっけ?」
「宮殿の最上階に私のペットが居るのよ」
「まさか、ドラゴン?」
「ベヒモスの赤ちゃんとかよ」
「怖い怖いだったかもぬ」
「次はドラゴンの赤ちゃんを飼おうかしら」
「怖い怖いだったかもぬ」
「そればっかりね、フフ」
ゼニア姫は笑顔を見せた。俺はホッとする。
「ゼニア姫、気を強く持たなきゃ。惑星大統領になるんだろ?」
「分かってるわ。じゃあ、行きましょ」
「どこへ?」
「飼育小屋。近道するわよ。着いてきて」
「分かった」
俺はゼニア姫に連れられて、ゼニア姫の部屋に入ると、魔方陣があった。
俺とゼニア姫は魔方陣に入ると、緑色の光に包まれる。
視界が360度見渡せる。ここが塔の最上階か。上空数千メートルはあるだろうに、風は強く感じない。これも魔法だろう。
階段を下りて行くと、頑丈そうなケージが幾つかあった。
「いい子でちゅねえ〜。ミルクでちゅよ〜」
この声は…………。
「おいおい、ラークバロン一の魔法剣士様が赤ちゃん言葉かよ」
「ソウ!? なっ、なぜここに!?」
「動揺しすぎだ、ジャック」
「ジャックはいつもこうなのよ」
「ゼニア姫、私の唯一の息抜きです」
俺はベヒモスの赤ちゃんを見てみる。筋肉質な成犬のドーベルマンにしか見えない。
「成長したらどうするの? 食べちゃう?」
「山に放つのよ。自然界を守るためにも」
「くぅ〜ん、くぅ〜ん」
「あら、ソウにもなついたようね」
ベヒモスの赤ちゃんは尻尾フリフリさせながら、すり寄ってきて、お座りをする。
「動物好きに悪人なし」
「だと良いけど」
「ゼニア姫、餌をやり終えました」
「ありがとう、ジャック。戻りましょ」
「もう? この景色をもっと堪能したい」
「魔方陣の使い方は解る?」
「解らない」
「じゃあ、一緒に戻るしかないわよ」
「仕方ないな〜」
俺達は塔のてっぺんにある魔方陣からゼニア姫の部屋に戻る。
「今日はもう仕事がないから、2人とも下がっていいわよ」
「はっ!」
「りょ〜か〜い」
ガッツリ昼寝しよう。俺は自分の部屋に戻り、バロン酒を飲む。空きっ腹に50度の酒は効く。ベッドへダイブする。




