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049(美人女医)


 俺は1人、ピンクのレキサスで塔に帰り、駐車場に適当に停めて降りる。もう薄暗い夕方だ。


「ソウ! 今日も活躍したようじゃな」

「騎士団長のジッパーか」

「スコットからテレパシーで聞いたぞ」

「俺はそのテレパシーってヤツが苦手で。受けると気持ち悪いんだ」


『こうか?』


 頭の中で声が響く。気持ち悪い。


「やめてくれ、ジッパー」

「すまんすまん。しかし、上級魔法使いの悪い癖だぞ? 効果の高い魔法ばかり訓練して基礎を疎かにしている」

「テレパシーだけでも教えてくれないか? 苦手は克服したいタイプでね」

「よかろう。テレパシーを受けることは出来るのだな? それなら話は簡単だ。電話をイメージするだけでいい」

「それだけ?」

「試しにワシに送ってみろ」


 俺は携帯電話をイメージして、ジッパーに語り掛ける。


『はい! オーシャン・パシフィック・ピース!』

『ソウ、出来るじゃないか』


「ジッパー、ありがとう。1つ勉強になったよ。気持ち悪さも減った」

「ポイントは相手の大体の位置が特定出来てる時のみ有効というわけじゃ。お主の魔力なら地球の裏側までテレパシーを飛ばせるだろう」

「えっ!? やっぱり、ここって地球なの?」

「お主は別の星から来たのか? ワッハッハ」

「西暦は何年?」

「西暦…………古い暦じゃな。バロン暦で532年だから、西暦なら4000年をこえているだろうな」

「同じ地球でも異世界だな。じゃあ、行くよ」

「ソウ、姫様を守れよ」


 俺は片手を挙げて、ワープエレベーターに向かって歩き出す。


 ――しまった! ワープエレベーターっていつも誰かと一緒に乗ってたから、使い方が……いや、下りは出来たから下界に居る。上りだって行けるはず。


 俺はワープエレベーターの魔方陣に入る。上だ。宮殿の中ならどこでもいい!


 パッと、視界が緑色に包まれてどこかの廊下に移った。いかん! 完全に迷子だ。


「あら、ソウ。手伝いに来てくれたの?」


 後ろから声を掛けられた。俺は振り返る。


「ティファ先生〜! 助かった〜。迷子なんだよ」

「迷子? ここは宮殿外枠の南側よ。あまり人が来ない辺りだから仕方ないわね」

「まだ実験してるんだ」

「ちょっと手伝ってくれたら、シモベを呼んであげるわよ」

「手伝う手伝う。何をすればいい?」

「急激なヒーリング能力の解明。ケントカーム国の神経毒にやられた時に血を採らせてもらったわ」

「ソルジャーや騎士団に応用すれば大幅な戦力アップだな」

「その通り!」


 ティファ先生と再び意気投合した。

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