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047(ショッピング)


「なんの? やっぱり、ヤバい実験?」

「ヤバい実験って何よ。新しい回復アイテムの調合をするの。実費だから、なかなか進まなくてね」

「いくらか出そうか? ちゃんとお礼をしたいし」

「本当? ありがとう」

「近衛兵の給料も出たしね」

「花屋の奥に来て」


 俺はティファ先生に手を掴まれて歩いて行く。レジを通り過ぎ、中庭に出た。薬草と言っても所詮は草だ、大した金額じゃないだろう。

 ティファ先生は1つの樽の前で止まる。


「この樽まるごと?」

「ラークバロン公国の為よ」

「いくら?」

「19万5000イースね。本当は魔導師セシルって人から分けて貰う手筈だったけど、家が爆破されたって」

「ふ〜ん、そうなんだー」


 巡り巡って俺にツケが回ってくるのね、トホホ。


「無理ならいいのよ」

「いや、出すよ。実はセシルの家を吹き飛ばしたの俺なんだ」

「…………テロリスト?」

「違うよ! 不可抗力で爆裂魔法を使ってしまったんだ」

「冗談よ、ウフフ。魔力が強すぎるのも問題ね。貴方は呪文を唱えずに強力な魔法が使えるでしょ」

「ああ、逆に呪文を知らない」

「何とかと天才は紙一重ね」

「……変態と狂人は紙一重だ」

「何よそれ、一緒じゃない、ウフフ」


 俺は樽を担ぐ。すると、ティファ先生は呪文を唱える。樽が軽くなっ……浮いた。


「浮遊魔法は禁止では!?」

「人はね。物はいいのよ。さあ、行きましょ」


 ティファ先生は重い樽を風船の様にフワフワと浮かせてレジに持っていく。


「いらっしゃいませ〜」


 花屋の看板娘かな? 可愛いが肌が小麦色だ。ハーフだろう。


「この薬草を樽ごと貰っていくよ〜」

「そっ、それは! かなり高価ですよ?」


 俺は10万イース札を2枚出す。


「19万5000イースだろ? お釣は要らない、チップだ」

「ありがとうございます!」

「羽振りいいのねえ」

「えっ、あっ、近衛兵の給料が良いんだよ。風が吹けば桶屋が儲かるし」


 皆にベラベラと魔法宝くじの事を言ってたら、その内カオスになってしまうな。


「よく解らないけど、ありがとうね」

「運ばなくても……いいよね」

「これから薬草をこねるけど着いてくる?」

「いや、遠慮するよ。もう少しこの街を散策したいし」

「そう、またね」


 ティファ先生は塔の方へ歩いていった。重い樽をフワフワと浮遊させて。

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