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046(デートの予感)


「そうだ。スカイレインには改良の余地がある」

「どこか不具合でもありましたか?」

「リアウイングを着けるんだ。そうすれば、ブレーキング時の制動力が増すよ」


 クルーのあんちゃんはペンと片手程のノートを胸ポケットから出してメモを取る。


「リアウイング……飾りを付けるんですか?」

「おいおい、あんちゃんはダウンフォースも知らないのかよ」

「すみません、勉強不足で。親方を呼んできます」


 クルーのあんちゃんはドックの奥に行った。

 少し待たされてガタイの良い毛むくじゃらのオッサンが現れた。アダ名は熊さんだな。


「お前が、ソウとやらか? 話は聞いている」

「アンタがドックの親方?」

「ロイだ。予言は本当だったか」

「予言? ロイ親方、どういう意味だ?」

「魔法車を操る達人が現れると、数年前から下界で囁かれていた。そのためにスカイレインは設計され、造られた」

「俺専用って訳か」

「スカイレインでマックス何キロ出せる?」

「スピードメーターの上限、350キロだよ。まだ余裕があるな」

「スカイレインを量産する許可を得るまでにギリギリの折衝があった。オーバースペックではないかと」

「俺の心技体ならもっとスペックを上げても大丈夫だよ」

「どうやら、そのようだな」

「高速からのフルブレーキングにリアウイングでダウンフォースを発生させ、制動力を上げて」

「ダウンフォースか。レンが言ってたな」

「レン? クルーのあんちゃんのこと?」

「名前も言わんとは……しごきが足りないようだな」

「まあまあ。それより、スカイレインのフルチューンを頼んだよ」

「ああ、データロガーを見てお前好みに弄ってやる」




――俺はドックを出て、城下町をブラブラする。


 パン屋、時計屋、タバコ屋、古着屋、花屋、レストラン、武器工場。改めて見ると、この国は栄えてるな。


 俺は花屋の前に立つ。客は1人だけ、白衣を着た女性……ティファ先生? 何をやってるんだろう。ちょっと節介してやるか。


「ティファ先生、何やってるの?」

「あら、ソウ。もう毒の影響はないようね」


 ティファ先生は葉っぱを買っていた。ヤバいヤツかな?


「花屋で葉っぱを買ってどうするの? 花を買わなきゃ」

「これは薬草よ。花はトラウマなの、ソウのせいで」

「昨日は悪かったよ。根に持たないで」

「ウフフ、冗談よ」

「何だよ、それ、アハハ。その薬草は何に使うの?」

「実験」

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