043(解離性同一性障害)
カンカンカン! 鐘の音だ。
「休憩終了! 代表者は全員着席!」
俺はゼニア姫の裏に立ち、ジャックとひそひそ話をする。
「エルフ族の族長はなんだって?」
「ラークバロン公国に特使を派遣してくれるみたい。霊魂を滅殺させる魔法を教えてくれる気満々だよ」
「これで奴の転生を止められるといいが」
「2人とも、静かに。私が発言する番よ」
議長国のオバサンがゼニア姫にマイクを空中浮遊させながら渡した。
「あ〜、あ〜。いいですか。惑星大統領の選挙期間中に良からぬ行動を起こす国があります」
「それはどこの国ですか? ゼニアさん」
「ケントカーム国です。様々な犯罪をラークバロン国内で起こしていきました。イースト地方は荒れに荒れてます」
「ちょっと待った!」
「オールマンコさん、反論があるならどうぞ。マイクを渡します」
「特にない!」
オールマンコの奴、何を言ってんだ? 反論があるのか、ないのか。……まさか、テオブロと精神が混在してる? 無理やりに解離性同一性障害になってるのかな?
――難しい話が終わり、マイクが浮遊しながら、議長国のオバサンの手に渡る。
「それでは次回は惑星大統領の選挙本番をやります。各国、マニフェストをもう一度確認して下さい。解散!」
周りの各国代表者は足早にそれぞれのワープルームに入っていった。
オールマンコが俺に近付いてきた。やるか? やらないか?
「助けてくれ、テオブロを頭の中から追い出してくれ」
「オールマンコ?」
「ソウとやら、いずれ決着を着けてやる」
「テオブロ?」
オールマンコは自国のワープルームへ入っていった。やっぱり、2人の精神が混在してる。解離性同一性障害だ。
「我々も帰りましょう」
「ソウ、行くわよ」
「あっ、ああ」
俺達はワープルームに入る。
「オールマンコの様子がおかしかったわね」
「多分、解離性同一性障害だよ。無理やり精神を乗っ取った影響かも」
「厄介な状況だな」
俺達は魔方陣に入り、視界が緑色に包まれて、次元の間に帰ってくる。
ジャックは剣を持ち、ゼニア姫をエスコートする。
「私はパパに会議の模様を伝えてくる。2人は私の部屋で待ってて」
「分かりました」
「ゆっくり話しておいで」




