038(褒美はキャノンボール)
スコットは固まってしまった。冗談だと捉えて面白い返しを考えてるか、信じてドラゴン肉のハンバーガーの味を想像してるか。
「……嘘だろ?」
「魔法宝くじをやったんだ。あっ、ジャックは? 元出はジャックだから奢ってやらないと」
「ジャックなら案の定、悪酔いしてソルジャーに絡んでボコボコにされ、部屋に運ばれたよ」
「あのバカ、本当に貴族か? アハハ」
宴の間の壇上にメンソ国王、フレーバ王妃、ジンボ王子、ゼニア姫が上がった。
ソルジャー達の雰囲気がピリッとなった。緊張している?
メンソ国王とフレーバ王妃はグラスを片手にソルジャー達の方へ行った。
スコットはこめかみに人差し指を当ててる。
「……ソウ、テレパシーでドラゴン肉のハンバーガーとロゼバロン酒を2人分、注文しといたよ」
「10万イースで足りるか?」
「十分、十分。ゴチになりま〜す」
「何でもタダじゃないんだな」
「高級食材は宮殿の中でも有料だよ」
「できるまで、ちょっとジンボ王子に挨拶してくる」
俺は席を立ち、壇上の前に行く。
「ソウ、もういいのか?」
「ああ、ジンボ王子こそ、大丈夫?」
「私は大丈夫だよ。神経毒を盛られて生きてるとはな、凄い男だ」
「神様に愛されればオーケー」
「神と交信が出来るのは本当か。ラークバロン公国の未来を占ってくれないか?」
「眠ってる間しか神様と話せないけどね。今夜にでも聞いてみるよ」
ゼニア姫はズッと浮かない顔でドリンクを飲んでいた。そして、口を開く。
「ソウ、封印魔法はダメよ」
「テオブロにトドメを刺すには封印魔法しかない」
「別の方法はないの?」
「それも今夜、神様に聞いてみるよ」
「急を要する、頼んだぞ」
「任せな〜」
「ジンボお兄様、ソウに褒美を」
「ソウ、何がいい? 父上と相談してみる」
俺は少し考える。褒美は2つある。1つは保留にしておくか。
「キャノンボールに参加したいな。もう少し情勢が落ち着いてからでいいから」
「キャノンボール? ああ、レースの事か。ソウは正規兵だから、基本的に参加は出来ないが、特例で許可を得よう。私の権限でなんとかなりそうだ」
「キャノンボールって一般人だけでやるの?」
「レースは一般人を対象に魔法車のドライブスキルを試すオーディションだよ」




