033(敵国元帥と直接対決)
「ジャック、位置特定魔法は?」
「ちょっと待ってくれ……」
ジャックはこめかみに手のひらを当てる。
「この道の先だ。徒歩でジンボ王子を運んでる。スカイレインに消音魔法をかけるぞ」
「了解!」
ジャックは片手剣を持ち、呪文を唱える。
「サイレント!」
俺はスカイレインを急発進させる。左太ももに当たるギアボックスが熱を帯びている。エンジンもオーバーヒート寸前だろう。俺にかかる魔力負荷が大幅に増える。
200メートル程走った先で見付けた! 徒歩で海の方へ向かってる、ケントカーム族の3人と担がれてる、ジンボ王子。
とりあえず、麻袋を持って一番後ろを歩いてた奴をスピンターンで跳ねて、魔法車を1回転させる。
「グアッ!」
空中に札束が舞い、ドン! とスカイレインのボンネットに麻袋が落ちた。
「俺達のカネがー!」
「もう追っ手が来た!? 王子だけでも運べ! カネはいいから!」
「カネがー!」
俺は次にカネカネうるさい奴に向かってスカイレインを突進させて跳ねる。カネがばら蒔かれ、札束の海ができた。
「ソウ、ここからは降りて闘おう」
「分かった」
俺達はスカイレインを降りる。残った1人のケントカーム族はジンボ王子を放り捨て、剣を構える。コイツは傀儡魔法とやらを使えないのか? ジンボ王子は眠らされてる? 俺に槍を突き刺した奴だ。
「さて、ジンボ王子を返してもらおうか?」
ジャックが大剣を構えると刃がオレンジ色に光る。
「ちょっと待ってくれ」
カシャン。ケントカーム族の男は剣を落とした。なんかこめかみを手で押さえてる。
「悪いが首を跳ねさせてもらう」
「俺に槍を突き刺したしな。来世で達者に」
「だから、待ってくれ…………オールマンコ様! 今です!」
ズドン! 瞬時にジャックが蹴り飛ばされて20メートルくらい吹き飛ぶ。同時に首元にチクッとした。
筋骨隆々でガタイの良いオッサンが現れた。コイツがオールマンコ……いや、テオブロか!?
「ソウとやら、ここで会ったが100年目! よくも魔法車で跳ねて殺ってくれたな!」
「前世のことをネチネチ根に持つなよ」
「許さん!」
俺はテオブロに爆裂魔法をかます。ケントカーム族の男は逃げた。
「グオッ! なぜ、魔法車を長距離運転しても爆裂魔法が使える!?」
「甘いな、テオブロ」
「ソウ! しゃがめ!」
俺は言われた通りにサッとしゃがむ。ジャックが何かするつもりだ。テオブロも呪文を唱える。
「ロック!」
「ショット! ネット!」――――。




