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029(誘拐)


「チッ! 逃げるぞ」


 半透明のケントカーム族3人にジンボ王子か? 俺は一度ジンボ王子と会話を交わしてる。間違いない。


 ケントカーム族の3人は親書を持ってきた連中だ。


「おい! ケントカーム族、人質を返せ!」

「俺達の姿が見える!? 特殊魔法か」

「ゼニア姫、下がって。ジャックは出入口を固めろ」

「透明魔法か? 私には相手が見えない」


 透明魔法……俺にしか見えてないようだな。


 ドカン! 俺は爆裂魔法を1発威嚇射撃する。


「死にたくなかったら、おとなしく投降しろ」

「ハッハッハ、これならどうかな?」


 ジンボ王子が不気味な動きで敵の盾になる。


「ソウ! ジンボ王子はおそらく傀儡魔法をかけられてる! 下手に爆裂魔法を当てるなよ!」

「めんどくせえな」


 ジンボ王子が両手を広げ、不気味にユックリと俺に近付いてくる。


 グサッ! ケントカーム族の1人が放った槍が俺の胸に突き刺さった。痛い! しまった……ジンボ王子に気を取られた一瞬を突かれた。


 俺は勇気を振り絞って槍を抜く。辺り一面、血飛沫で真っ赤だ。クッソ痛い!


「コイツ、化け物か!?」


 パッと半透明から実体に変わるケントカーム族の3人。内1人が麻袋を持っていた。札束を盗んだか。


「しまった、透明魔法が切れた」

「大丈夫だ。こっちには王子様の盾がある」

「ジンボお兄様!」


 ジンボ王子の陰に隠れながら、ジリジリと間合いを詰めてくるケントカーム族の3人。


 ジャックもジリジリと気圧されて出入口から離れる。


 ケントカーム族の1人が外を確認した。いかん、魔法車を盗まれたら、追い付けない。


 ケントカーム族のもう1人が出入口のドアを開ける。


「ジンボお兄様だけでも返して」

「嫌だね、ハハハ」


 ガタン。ケントカーム族の3人とジンボ王子が外に出たと同時に敵とゼニア姫が魔法をかけ合う。


「ポジション!」

「ネット!」


 俺はドアをこじ開けようとした時、行動不能魔法に引っ付いてしまった。


「ソウ! 何をやってる? 簡単に敵の魔法にかかるなんて」

「動けない……すまん、ジャック。窓ガラスを割って追いかけてくれ。奴らは魔法車を乗っ取るつもりだ」


 ブ〜ン…………遅かった。レキサスの排気音。いや、魔法音か。


「待てよ? 透明魔法、傀儡魔法や魔法車を操れるって事はただの特使じゃないな。最初からこれが狙いか」

「ジンボお兄様の誘拐が目的?」

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