028(捜索開始)
「レ“キ”サスだ。ソウってちょいちょい魔法車の名前を言い間違えるよね」
「転生する前の世界と車名が似てる、アハハ」
「ソウ、本当に転生なんてあるの?」
「神様に愛されればね。テオブロはケントカーム国のオールマンコに憑依している」
「何でそんなことが判るんだ? 異国の魔法か?」
「まあ、そんなところだ。眠ってる間に神様と交信出来るんだよ」
俺とゼニア姫はジャックに案内されて1台のセダンの前で止まる。
「これがレキサス? なんだか恥ずかしいな〜」
「まあ、我慢してくれ」
「私の好みで良いけどね」
レキサスという魔法車は新車の様にピカピカ。しかし、ボディーカラーは“ショッキングピンク”だ。
「ショボい魔法車に比べればマシだけどさ。ピンクって……」
「これは戦闘最前線で活躍する魔法車だ。ピンク色は敵の戦意を削ぐと考えられてる」
「確かにその効果は聞いたことあるけどさ」
ジャックは後部座席のドア開けてゼニア姫をエスコートする。
俺は運転席に乗り込み、仕様を確認する。パドルシフトだ。やっぱり、この世でも高級車は高級車だな。
ジャックが助手席に乗り、シートベルトをする。
「いつでも発進していいよ」
「仕方ない、行くか」
俺はシートベルトをしてレキサスを発進させる。
「とりあえず、塔の西側を見てみましょ」
「分かった。ゆっくり走るから、ジャックは左側、ゼニア姫は右側を重点に探してくれ」
――大通りの道を距離2キロメートルくらいをノロノロと走り、探したがジンボ王子は見付からなかった。
「こっちには居ないようね。戻りましょう」
「分かった。歌でも歌うか?」
「気晴らしになるか。歌ってくれ」
「亀甲縛りに〜、ケツを鞭打つ〜。がっ……」
「そこまで! 歌詞がハレンチすぎる、ハハハ」
「乗ってきたのに〜」
「ソウ、銀行に寄って」
「銀行強盗か?」
「そんな事するわけないでしょ、バカ。あなたの口座を作るのよ」
「なるほど、そりゃありがたいが印鑑は持ってないよ」
「印鑑なんて必要ないわ、サインよ。ソウは異国の者だから、私のサインで作れるわ。すぐそこの左側にあるから」
俺は大通りの道にバンクの看板を見付けて、店の前にピンクのレキサスを路上の左側に停める。
「ソウの口座を作ったら、一旦、宮殿に戻りましょう」
俺達は魔法車を降りて銀行に入る。ピンクの魔法車……通行人の視線が痛かった、アハハ。
店内は様子がおかしい。銀行員が気絶してる……? ジャックは銀行員に駆け寄り、脈を診る。
「ダメだ、死んでる」
「カウンターの奥は?」
ガタッ。誰かが物陰から出てきた。
「ジンボお兄様!?」




