023(親書)
『エーテルとバロン酒を持ってきたよ〜』
ジャックのバカ! 間が悪すぎる!
『ゼニアの部屋で酒盛りでも始めるの?』
『フレーバ王妃!? なぜ!?』
『ソウ、ママには言っても大丈夫だと思う』
俺は少し考えてから、意を決して、フレーバ王妃に話す。
『昨日の夜の事だ。俺は酔い潰れて、朝起きたら、ゼニア姫と一緒に寝ていた。しかし、何もなかったと自負している』
『それで魔導師セシルを連れてきて、リプレイ魔法を使おうとしたのね』
『俺はそんなに酒に弱くないし、酒癖も悪くない』
『分かりました。ソウ、お前を信じましょう』
『フレーバ王妃、ありがとう。それじゃあ、じいさん、リプレイ魔法を頼むよ』
『まだ待ってくれんか。年には勝てんわい』
魔導師セシルはバロン酒のボトルをらっぱ飲みする。
『リプレイ魔法の前に親書を持ってきた、ケントカーム国の者の謁見に立ち会いましょう。ソウとジャック、お前達も来なさい』
『俺も?』
『もう近衛兵の支度をしてますね。準備万端じゃありませんか』
『ママ、すぐに行くわ』
『じいさん、たくさん飲んで回復してね』
俺達は王の間に行く。壇上の脇から入ると、耳が尖った男が3人レッドカーペットの上で片膝を突いて座っていた。
メンソ国王は玉座で険しい顔をして本を読んでいる、親書だろう。
『ケントカーム国の者よ、ゼニアにイースト地方の予備選をしりぞけと言うのか?』
『はっ! ゼニア姫はまだお若い、ここはケントカームのオールマンコ様に一本化すべきです』
『そなた達の国とは血で血を洗う戦をしてきた。簡単には受け入れられんぞ?』
『ゼニア姫が公約に掲げる、戦のない世界に叶っているかと』
重苦しい雰囲気だ。俺はおとなしくしていよう。
『オールマンコはラークバロン公国の戦士を大勢殺した、トリガーハッピーではないか?』
俺はひそひそ声でジャックに話しかける。
『ジャックならオールマンコって奴に勝てるか』
『無理だな。私とソウが組めば倒せると思うよ』
『ラークバロンとケントカームの戦況は?』
『一進一退が続いてるが今はややラークバロンが圧されてる』
メンソ国王が立ち上がった。
『少し時間をくれんか』
『はっ! それは勿論です。しかし、明日の昼までには御返事を』




