016(異変)
俺とジャックはハンバーガーショップに入る。カフェの様な落ち着いた店だ。
『いらっしゃいませ〜』
若い女性の店員が居た。開店はしてるようだ。
『俺はカネを持ってない、どうしよう』
『1000イース程だ。私が払ってやる』
『ゴチになりま〜す』
『全く』
俺はメニューを見ててドラゴン肉パティのハンバーガーに目が止まる。
『ジャック……』
『ダメだ、値段を見ろ』
35000イース……ハンバーガーにしては高すぎるかな? 仕方ない、ラークバイソンのパティにしよう。
『ラークバイソンのバーガーにポテトとエーテルスムージーのセットをお願い』
『私も同じ物をくれ』
『かしこまりました。2400イースになります』
ジャックは財布から札2枚と硬貨4枚を支払う。
俺達はテーブル席に座る。客は居ない、まだ朝早いからかな。
『おまちどおさまです』
『おっ! 早いな』
美味そうな薫りが立っている。
俺達はハンバーガーにがっついてると、店の前を数台の魔法車が通っていった。スコット達の迎えかな?
『なあ、ジャック』
『なんだ?』
『石油で走る車はないの?』
『ラークバロン公国にはない。この辺りでは石油は取れないからな』
『メンソ国王は外国製の車を集めているのか』
『そんなの聞いたこともないな』
『……塔のシモベのダンって人が言ってたが』
『ダンは昨日から病欠してる……』
『じゃあ俺が案内を受けたのは!?』
『ソウ! 急いで城に戻るぞ!』
俺はエーテルスムージーを片手にジャックと一緒に塔を目指して走る。
俺達の後ろから魔法車が来たので、俺は道路に飛び出して停める。スポーツカーだ。
『ばか野郎! どういうつもりだ!?』
運転手の騎士団員が俺に気を取られてる時に、ジャックが魔法車を奪う。
『緊急事態だ、降りてくれ』
『ジャック・ストライフ!? 何事ですか?』
『話はあとだ。ソウ! 乗れ!』
『分かった!』
俺は魔法スポーツカーの運転席から騎士団員を放り出して乗り込み、爆走する。
トロくさい馬車や魔法車をオーバーテイクして行く。交差点ではクラクションを鳴らして通行人を退かす。
『何キロ出してる!? 飛ばしすぎだろ!』
『80キロだよ。面白くなってきた!』
『事故を起こすなよ!?』
『任せろ!』




