011(地下室)
街には白人、黒人、アジア人、モンスターみたいな生き物が闊歩していた。
俺はゼニア姫に聞いたことをジャックにも聞いてみる。
『空を飛ぶ魔法はないのか?』
『冗談はケツだけにしてくれ。空挺ならあるが、魔法で人間生身を飛ばすのは禁止されている』
『封印と並んで?』
『そうだ。封印魔法は隕石を落としたり、ハリケーン、太陽フレアを発生させたり危険な魔法で戦争でも使ってはいけないと条約を各国が結んでいる』
『そりゃやベーな』
『異国出身とは言え、魔法訓練所は卒業してるだろ?』
『魔王を跳ねた時に頭を打ったんだ』
『記憶喪失か。ソウの国はなんと言うのだ? あっ、変な事を聞いてしまったな』
『長野県、小さな国だよ』
『ナガノケン? 知らない国だな。ってか、そこは覚えてるんだな』
『和の国と言えば通じるかな?』
『和の国? 通じないよ、ハハハ。ソウ、この辺りで停めてくれ』
どうやら、魔導師セシルって人の自宅に着いたようだ。レンガ造りの街中にポツンと古びた木造の家があった。
『居るかな?』
『行ってみよう』
俺達は魔法車を降りて、家の呼び鈴を鳴らす。チリ〜ン…………。
『居ないのかな?』
ジャックはドアをノックする。
『魔導師セシル様、居ませんか〜!』
ギギギギ。自然にドアが開いた。
『これも魔法か?』
『いや、立て付けが悪いだけだ』
『なんだよ、ビビらせやがって』
『中に入ってみよう』
『いいのか?』
『私は騎士団員だ。セシル様は高齢者、中で亡くなってるかもしれない。様子は見ておかないと』
俺達は家の中に入る。雑然としており、テーブルには本や実験器具などが山積みにされてる。
1階を一通り捜索したが誰も居なかった。
『他を当たるか?』
『待て、地下室があるはずだ』
『地下室にこもって怪しい実験でもしてるのかな? そういえば、俺は魔導師セシルって人の顔を知らない』
ジャックは魔法でパッと空中に3D画像を見せてくれた。白い長い髭にごま塩の髪の毛。
『この人が魔導師セシル様だよ』
『分かった。それじゃあ、地下室を見てみよう』




