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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
白銀の聖剣と漆黒の聖鞘

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蛇化したダンジョンⅥ

 上空からの情報が後方にも飛んでいるのか、勇輝たちがいる場所から離れた場所に攻撃が着弾する音が聞こえてくる。


 基本の四属性とは異なる光の矢、或いは光の槍が蛇ゴーレムに突き刺さっている。


 光属性となると、やはり聖なるもの――つまり浄化のイメージが強い。


 当たった箇所からは、白い煙が上がっている。もしかすると、聖剣には及ばないものの他の攻撃よりは有効打を与えることができているのかもしれない。



「そこ、ぼーっとしない!」



 声が掛かったと思うと同時に、かすかな風切り音が耳に届いた。


 勇輝の数メートル前に普通の矢が突き刺さり、白煙を噴き出す。


 矢の飛んできた場所を見ると、レナが次の矢を番えていた。



「そいつ、穴を作り出してブレスを吐いてきた。油断してると痛い目を見る」



 遅れて、矢があった場所が爆発した。


 ダンジョンの中にいた魔物の中には、最下層のラドンも含まれる。魔物を外に生み出す事が出来ないならば、自分自身の体を欠損させてブレスを吐けるようにするのは、苦肉の策といったところか。



「すいません、助かりました!」


「こっちは任せて、リシアから核のことは聞いてる。ここから後ろには行かせないようにするから」



 さらにもう一射放ったレナは、穴の開いた場所に向けて瓶を投げつけた。


 こぼれた液体が触れた場所から、次々に白煙が噴き出る。


 後に聞いた話だか、レナが使っていたのは光属性の魔法の力を込めた聖水で、それを鏃につけて放っていたらしい。


 貴重な魔道具の一種だが、それを豪快に投げるあたりがレナらしい。



『まだ、先にいるな。ガンドで吹き飛ばして退路を塞いでおくか?』


「いや、さっきみたいに、何をしてくるかわかりきってない以上、魔力の無駄遣いはしたくない」



 意識を魔眼に集中し、逃げている核とやらを捉えようと試みるも、飛び出してくる手やブレスの前兆である赤い光が邪魔で認識するまでに至らない。


 ブレスを避け、胴に切りつけながら追いかける。



「すまない。遅くなった!」



 その声と共に上空から白銀の一閃が放たれた。


 勇輝が刻んだ傷口に直交する形で、新たな傷が深々と刻まれる。



「ソフィアさん! じゃあ、アルトも?」


「えぇ、他の黒騎士に囲まれて、浄化魔法の詠唱と展開に集中している。数分もすれば、枢機卿たちと共に膨大な浄化魔法がコレを襲うだろう」


「つまり、核を潰さなくとも足止めに成功すれば――」



 勇輝の顔が綻びかけた時、心刀は即座に否定した。



『いや、コイツは上手いことやって逃げ延びるだろうよ。今後のことを考えるなら、あの聖剣か俺がトドメを刺すのが一番だ』


「……何かあるんだな?」


『魔王の力とやらを理解したわけじゃないが、魔力と似た雰囲気、感触がある。ここで下手にダメージを与えると、この体を捨てそうな気がする!』



 魔王がやられた際に、地下を流れる地脈――魔力の流れに混じって広まった魔王の力。


 その特性を考えれば、宿って変形させたダンジョンを放棄し、再び地脈に溶け込んでしまうこともあり得る。



「聖剣ならともかく、何でお前でも大丈夫なんだよ?」


『霊体に攻撃できる、だろ? 形がない物を切れるのなら、聖剣でなくても効果は一緒だ』



 なるほど、と思う反面、果たして本当にできるのか不安が残る。


 勇輝としては、枢機卿と聖女の力の方が効果がある気がしてならなかった。



「そちらで核の位置が把握できていることはリシアから聞いている。話すのは追い詰めてからでも問題は――」



 唐突にソフィアの表情が強張り、背後に振り返った。


 何事かと勇輝も視線を後ろに向けると、信じられないものが視界に飛び込んで来た。



「――ギヒィッ!」



 ガンドで切断したはずの尾が、追いかけてきていた。しかも、傷口からは無数のゴブリンの上半身が生え、手を伸ばしている。

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