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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
白銀の聖剣と漆黒の聖鞘

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蛇化したダンジョンⅠ

 ウッドを先頭に、勇輝とマックスが両側後方に並び、さらに後ろをレナが走っていた。


 桜とリシアは上空から接近し、敵の位置を知らせくれている。


 隙を見て援護射撃もしてくれるが、大蛇らしき魔物が上空にまで体を届かせたり魔法を放ったりする可能性もある。



「まずは様子見。あの二人の位置から大体の場所を把握して、枢機卿たちが魔法をぶち込む。それでもダメなら、俺たちの出番か」


「魔法で倒しきれるなら、聖剣を遺体に突き刺して終わり。それで済むのが一番ですけど、都合よく行くとは思えないな……」



 駄目だったときの対応は、勇輝のガンドやレナの弓で様子見。


 続けて後方の神官たちと桜たちの魔法による援護射撃で気を反らすと同時に、勇輝とマックスが突っ込む想定だ。



「ウッド、お前は下がってても良いんだぞ?」


「バカ野郎。お前になんかあったら、俺が後でなんて言われるかわかったもんじゃねぇ!」



 まさかの自己保身で先頭を走っていたようだが、矢を槍で叩き落とすことのできる目と反応速度をもつのがウッドだ。


 口でこそふざけているが、表情は真剣そのもの。頼もしいことこの上ない。



『聖女の嬢ちゃんと護衛の姉ちゃんは待たなくて良いのか?』


「まだ動き出せていない今がチャンスだ。二人を待って被害が広がる可能性を考えると、このままやるしかない!」



 マックスが聖剣へと返事をしていると、上空からリシアの声が降ってきた。


 距離的に届くはずがないので、風の魔法でも使っているに違いない。



「みんな、ストップ! これ以上、近付くと枢機卿たちの魔法に巻き込まれるかも!」


「ここからかよ!? 随分と離れてるな。まだ、敵さんの姿すら見えないぜ?」



 こちらの声も届いているようで、ウッドの驚愕する声に、遅れることなくリシアの声が返ってくる。



「上級魔法クラスを使うんだから、それくらい仕方ないでしょっ! それとも、巻き込まれたい?」



 ウッドは槍を目の前で一振りし、地面に直線を刻んで下がった。


 ここに来るまでに、風属性の魔法で簡易的な障壁を用意すると言っていたが、その目印らしい。



「さて、聖教国のお偉いさん方のお手並み拝見ってな。長年、鍛錬を続けた魔法の威力を間近で見れるチャンスだ。リシアの奴が一番、楽しみにしてるだろうがな」



 リシアが魔物の、桜が勇輝たちの真上で火球を生み出した。その場に火球を残し、本人たちは離脱していく。


 勇輝は近くの樹木の影に隠れ、耳を澄ませた。時折、魔物が暴れているであろう音が響き渡るが、それさえなければ静かなものだ。


 勇輝は魔眼で星見の祭壇がある方を見つめる。祭壇自体は目視できないが、空には赤や青、黄と様々な色がオーロラのように輝いているのが見える。



「振動はそこまで大きくない。まだ、魔物が抜け出していないみたいだな。何かわかるか?」


『……避難した妖精たちが言うには、体の半分が埋まってるらしい。でも、暴れる度に抜けてきているみたいだから、そう長くはないだろうな』



 植物に宿った妖精たちの声を聖剣経由で得ることで、多少の時間差はあれども魔物の様子を知ることができている。特定のエリアだけになるが、危険を冒さずに索敵できるのは大きな強みだろう。


 そんなことを考えていると、空に一際大きな輝きが生まれた。赤い光が天を満たし、輝きを増していく。



「火属性魔法……。本当に森への被害は仕方ないといった感じか」



 樹木ごと焼き払うのは、恐らく、バジリスクという前例があるからだろう。毒に汚染されれば、樹木も何もない。可能な限りの火力で焼き尽くすという判断は、間違いではないだろう。


 紅蓮の閃光が流れ星となって空を駆ける。勇輝たちの頭上を一瞬で通り過ぎて行ったかと思った、次の瞬間。背中を預けていた樹木の向こう側から閃光が放たれた。

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