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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
白銀の聖剣と漆黒の聖鞘

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うっかりな聖剣エトナさんⅤ

 対処法は確立できた。


 遠距離から幹の樹皮に攻撃を加え、予め樹皮を剥がす。近接部隊が頃合いを見て突撃し、風の刃で援護する。


 あとは、少ないながらも襲って来る枝と突き出して来る根に注意しながら切り倒すのみだ。


 問題点が残るとすれば、あまりにも巨大な樹木であるせいで、切り倒しても暴れ続けるだけの力が残っていることだろうか。



「放っておいても死ぬだろうが、このままなのも寝覚めが悪い。さっさと死なせてやろうぜ。それと爆発する実がないのは、魔物化したばかりだからか?」



 ウッドが槍を何度か刺しながら、首を傾げる。確かに彼の言う通り、枝には実がない。その分だけ、警戒することが減るのはいいことだが、不気味な気がしてならないのも事実だ。


 ウッドはさらに深く槍を突き刺すと風属性魔法の詠唱をする。次の瞬間、突き刺した部分から順に内側からトレントが罅割れて行った。


 樹皮が吹き飛び、全員が唖然とする。



「おっ、こいつは気持ちいいな。水を運ぶ隙間に流し込んでやったら一発だ――って、いったぁ!?」


「ウッド。そういうことをやる時は、一言声を掛けろっていつも言ってる」



 レナに弓の先で脇腹を小突かれたウッドが地面に蹲る。


 身体強化を使い慣れているはずなのに、そこまで痛がるのはウッドが油断しているからなのか。その真相は本人にしかわからないことであり、同時に誰も興味を持たない部分であった。



「そこのおバカは放っておいて、今の対処法を出来るだけ早く伝えた方が良い。手分けして探したいところだけど、何かいい方法は?」


「光属性魔法による閃光弾と発動した際の音で、位置の確認を要求できます。どんなに魔法が苦手でも、必ずこの魔法は全騎士、神官が習得必須になっているものの一つになっているので、これなら行くべき場所が分かるはずです!」


『後は、俺様が妖精たちに聞いて案内することもできるぞ。近くは閃光弾、遠くは正確に位置が把握できるか、空から迎える奴が行った方が良いんじゃないか?』



 空を移動できるのは、勇輝と桜、リシア。木々が邪魔をしていても正確に位置が分かるのはマックス。それに加えて、結界魔法の応用で、アルトも位置が把握できるという。



「では、空からの連絡は危険ですが単独での行動を、それ以外は最低でも三人以上で行きましょう」



 ソフィアの提案に全員が頷く。


 ここから先は、時間との勝負。人も森も可能な限り被害を最小限にしなければならない以上、もたもたしてはいられない。



「では、準備をお願いします。恐らく、部隊は少なくとも二十以上は展開しているはずです」



 ポーションを口にして、勇輝と桜、リシアが空へと向かう。


 桜よりも慣れた様子で勇輝の近くを飛ぶリシアは、感心した様子で話しかけて来た。



「器用なことをするね。風属性魔法の応用で、足場を作ってるんでしょ?」


「わかるんですか?」


「もちろん、こう見えて全属性の適正があるから、そういうのには敏感でね。詠唱と魔力の展開がもう少しスムーズにできれば、宮廷魔術師も夢じゃないって褒められたこともあるんだから。また、時間がある時に、君の使う魔法について教えてくれると嬉しいな」



 そう告げたリシアは、杖を反転させる。そこで勇輝は、おかしいと気付く。


 桜が使っている杖は、杖と箒の性能を持つ最新型の杖だ。対して、最近開発に成功したばかりで、この世に一つしかない。しかし、リシアの持つ杖は以前あった時と同じ物だ。



「リ、リシアさん? その杖ってどうやって飛んでるんですか?」


「あ、気付いちゃった? あの子の杖と違うことに。これはね。箒と同じように飛んでると見せかけて、実は重力を操っているのだー」



 自分が使っている魔法を紹介できることが嬉しいのか、満面の笑みを浮かべるリシア。しかし、重力魔法の使い手と聞いて、真っ先に浮かぶのが因縁の相手なので、勇輝としては複雑な気分である。

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