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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第22巻 からくれなゐに染まる腕

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混乱Ⅴ

 一通り、武器や呉服屋などを回って、七丸の装備や衣服を整えてみた。

 七丸を外へ依頼に行く恰好へと着替えさせた後、勇輝と僧正は彼女の姿を確認する。


「うむ、まぁ、ないよりはマシ、程度か」


 武器は敵に近寄らなくても良いように短槍。防具に金属製や木製の物は重かったり、動きにくかったりしたので皮鎧を用意した。

 万が一、敵と遭遇した時は、槍で牽制しつつ、街まで逃げれるようにというコンセプトだ。


「七丸は魔物と戦ったことは――――ないよな」

「うん」


 元気よく返事をする七丸だが、今日一日で採取方法と魔物への対処を教えるには少しばかり時間が少なすぎる。


「街のすぐ近くで採れる物を探せばよい。後はそれをしっかり守らせることができるかだ。必ずしも戦わなければならないというわけではないからな。この子にはこの子のできることをやればよい」


 僧正は七丸が嬉しそうに槍を上下させるのを軽く手で握って止める。もう少し、背が高ければ天井に穴が開いていたところだ。


「宿は我の方でこの子の分も払っておいた。とりあえず、明日までは何とか面倒を見ることとしよう。それでダメならば寺社で引き取ってもらうしかあるまい。幸い、港町ならば人ではいくらあっても足りないくらいだからな。運が良ければ、船の仕事に就くこともできるかもしれん。かなりキツイがな」


 海は危険と隣り合わせだが、逆に言えば、まだまだ手付かずの場所が多いということでもある。より多くの資源――――特に魚や海藻――――といった食料関係はいくらあっても困らない。

 その中でも魚に関しては、完全に水分を抜けきった状態から燻製にすることで長期間の保存が可能となっており、緊急時の保存食にしてもよし、冒険者の旅のお供にしてもよし。兎にも角にも、作れるうちに作っておけという状態だ。

 実際、迷宮の中で長期間潜る者たちにとっては食料は死活問題。ファンメル王国であろうと日ノ本国であろうと、大きな迷宮がある場合は、攻略することを考えると国を挙げての大遠征と変わりがない。

 最近は海京の近くに新しい迷宮が発見されたことで、その需要も高まっている。そういう意味では冒険者ではなく、海の上で働くというのも悪い話ではない。


「自分の意志ならともかく、食う物に困って身売りに――――は流石に寝覚めが悪いからな。さぁ、善は急げとも言うし、外に出るとしよう。幸い、街の外をまだ足で歩いて確認はしていないからな。ちょうどいい散策になるだろう」

「そう言ってもらえると助かります。じゃあ、七丸、街の外に行くよ。鞄と武器は持った?」


 勇輝が問いかけると、七丸は居ても立っても居られないという表情で、顔を上下に何度も振る。


「槍は人に当たったら危ないから振り回さない。約束できる?」

「できる!」


 力強い返事とは裏腹に、勇輝の中に一抹の不安が過ぎる。中学生くらいの子供でも、時に非常識な行動をとって迷惑をかけてしまうことがあるのだから、万が一のことを警戒するのはおかしくないはずだ。


「よし、じゃあ、行こうか。僧正さん、念のためですけど後ろから七丸を見ていてもらってもいいですか?」

「無論、最初からそのつもりだ。お主は、気にせず前を歩け」


 僧正に言われるがまま、宿を出て南の方へと進む。

 ひたすら真っ直ぐ行くと、海京へと戻るトンネルか。山道を行く街道に繋がるのだが、そこから勇輝たちは少し外れた所へ向かうつもりでいた。

 人通りが多いということは、その分だけ魔物や獣が出てくる頻度が少ない。仮に出会ってしまったとしても、人間を恐れて逃げてしまうことの方がほとんどだ。

 もちろん、その例外も否定はできないし、人攫いなどの賊の存在もある。可能な限り人の目が届く範囲で、薬草がある群生地を見つけることが大切だろう。

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