表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第22巻 からくれなゐに染まる腕

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1628/2565

混乱Ⅳ

 僧正は既に待ち合わせ場所である検問所の所で腕を組んで待っていた。

 勇輝の姿を見つけて、一歩踏み出したところで動きが止まる。


「なんだ? その童は」

「えっと、色々とありまして、つい――――」


 勇輝は簡単に七丸と出会った経緯を話すと、僧正に呆れられた。


「こういう幼子を放って置けんというのは人として素晴らしいことだが、我々はここに居たとしても数日程度。最後まで面倒を見るわけにはいかん」

「せめて、薬草の取り方くらいなら何とか」

「街の外は場所によっては危険なところもあろう。それをこの童が近付かぬように教育する。或いは、魔物が出ても戦えるようにする。そこまで出来て初めて面倒を見た、と言えるのではないか?」


 僧正の言葉は正論以外の何者でもなく、勇輝は口を閉ざすしかできない。


「お兄ちゃんを、いじめないで」


 そんな勇輝の前に七丸は立って、僧正へと言い放つ。

 何の話をしているかはわからなくとも、自分のことで勇輝が責められていることは理解できているようだった。

 そんな七丸の姿に、僧正は困った表情を浮かべながらも屈んで視線を合わせた。


「お嬢ちゃん。我はお兄ちゃんをいじめているのではない。大人として、どのようなことをするべきかを考えさせているんだ」

「でも、お兄ちゃんは悲しそう」

「当然だ。お嬢ちゃんの為にどうすればいいのかを一生懸命考えているんだからな」


 そう告げた僧正は、そのままの姿勢で勇輝の方を見上げる。


「先に中の職員と話をして確認してきた。どうも、明日に来るという王国の姫様の船団の積み荷にあるらしい」

「アメリア第一王女の船に? 何でまた?」

「恐らくだが、巫女長の名前で注文したのだろう。実際、我が受け取った木札にも、そう書かれているからな。あちらの国でも宗教があるのならば、祭祀の長の名がどれだけ重いかくらいは理解しているはずだ。確実に届けるための手段として、そうしたのであろうよ。その過程がどうであろうとも、我々は明日まではここに拘束されるということだ」


 そう告げると、僧正は七丸を上から下までさっと見る。


「まずは、この童の服や武器を何とかしてやらんとな。お主、それくらいの銭は持っておるな?」

「はい、念のため、金二両ほど持ってきています」

「……お主の金銭感覚も少しは改めねばならんな。盗まれぬようにしておけ。まずは呉服屋――――いや、戦うのであれば、武器屋の近くに袴なども売っておろう。行くぞ」


 予備動作もなく、さっと立ち上がった僧正は東西に延びる通りの西側へと視線を向ける。

 勇輝は、まだ散策していない東側を見ながら、そのような物たちを扱う店を探そうという意図を察した。


「七丸。今から服とかを買いに行こうか」

「……この服。捨てたくない」


 色こそ綺麗なものに戻っているが、右袖は大きく切り裂かれており、無理矢理糸で補修した形跡があった。また、下半身の部分はところどころに穴が開き、糸がほつれている。流石の勇輝もこれ以上は着れないだろうと思っていると、僧正が首を振った。


「捨てる必要はない。いずれ、補修することも考えて、大切にしまっておけばいいだろう」

「ほんと?」

「あぁ、本当だとも。ただ、その格好のままうろつくと怪しい人に見られてしまう。しっかりとした服を着ておくことは大切だ」

「わかった。おじいちゃんの言う通りにする」

「おじ!? ――――いや、実年齢は確かにそうだが……勇輝、そこまで老けて見えるか?」


 烏天狗として変化の術を使っている僧正。その姿は、どんなに大袈裟に言っても三十代前半くらいの若さに見える。まかり間違って()()()()と呼ぶことはあっても、()()()()()と呼ばれることはないはずだ。

 肩を落として、落ち込む僧正を勇輝は慰めながら、七丸へと注意する。


「七丸。この人は僧正さんって呼んであげて」

「僧正おじいさん?」


 再び、襲い来るおじいさんというワードが僧正の心へと突き刺さった。

【読者の皆様へのお願い】

・この作品が少しでも面白いと思った。

・続きが気になる!

・気に入った

 以上のような感想をもっていただけたら、

 後書きの下側にある〔☆☆☆☆☆〕を押して、評価をしていただけると作者が喜びます。

 また、ブックマークの登録をしていただけると、次回からは既読部分に自動的に栞が挿入されて読み進めやすくなります。

 今後とも、本作品をよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ