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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第14巻 紅より来たる龍

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雷天大壮Ⅲ

 しかし、いつまで経っても話さずにいると、青龍から感じる圧が次第に高まって行くのを感じる。話してみれば意外と律義というか、話が分かる相手だということが分かったが、それでも危険なことには変わりない。

 意を決して勇輝は、自分が破壊してしまったことを告げた。


『…………こわ、した?』

「そ、そうなんだ。こう……魔法陣的な部分をこう横切るように読めなくして……」

『ぐっ、そ、それでは回収したところで、使い物にならんではないか!?』

「し、仕方ないじゃないか。あれ、放っておいたら日ノ本国全土に魔物が広がってたかもしれないだろ。そんなことになったら、それこそ、そっちの国が困るんじゃないのか?」


 地下にいたネズミたちが、ちょっとお供えした魔力を含んだ物体から、超巨大なミミズが何匹も召喚されているのだ。万が一、大量の魔力を吸い込んでしまった日には、一体どれだけの数が召喚されるのか。想像すらしたくない。


『た、確かに……しかし、それでは一体どう報告したものか……』

「とりあえず、場所は行こうと思っても行けないようなところだから回収は諦めて、ギルドかどこかにそういう結果が残されていた、と伝えるしかないだろ。後は他の下っ端を派遣して聞き込みすりゃ、勇輝の話を聞いた侍が勝手に話してくれるだろうぜ。それじゃあ、話はこれまでだ。後はさっきの約束通り、こっちにあまり関わってくれるなよ?」


 これ以上は、付き合う必要がないとばかりに隆三は青龍を尻目に道へと戻って行く。昨日は霧の中で迷ってしまいそうだったが、日が出てきたおかげで多少、道が()()()()()いても宿場の村には辿りつけそうだった。


「まったく、天候だけじゃなく、こんな道までご丁寧に新しく作り上げてくれるとは、後で村以外の奴が迷わないと良いが……」

「あ、あの、隆三さん。本当にこの人たち放っておいていいんですか?」


 慌ててその後ろを負いながら桜が尋ねると、隆三は不満げに呟く。


「仕方ないだろ。事態を大事に発展させないためには、こうするくらいしかないんだからな。あぁ、そうだ。一応、今回の件はギルドとかに報告しておくから、あまり近づくなよ。国に帰るなら最悪、そいつを背中に乗せて頑張って飛ぶことだ」

「心配せずともいくらでも帰る方法はあるわ!」

「そうか。じゃあな」


 ぶっきらぼうに返事を返しながらも、隆三は青龍の言葉に笑みを浮かべた。

 隆三の言葉を否定はしないということは、飛行による密入出国は手段の一つとして考えられる。そして、それ以外にもいくつか手段がある可能性もあることが示唆されていた。

 他国の者が非正規の手段で入出国を繰り返しているなど放置しておけば、百害あって一利なし。特に今回は李家の大物が入国しているのに、見張りの人員が誰も着いていない。偶然なのか、それとも大龍が自ら撒いたのか。或いは、これすらも密入国でばれていないのか。

 少なくとも貴重な情報であることには違いない。大枚をはたいてでもギルドでの通信の魔道具を借りるべき事案だ。密入国に関する方法については西園寺と北御門の領分。当然、大龍の密入国の件は、即座に共有しようと隆三が考えるのも無理はない。

 早くこの場を去ろうと踏み出した足の横の地面が、一陣の風と共に抉れた。


「……待て。どこに行こうとしている?」

「お早いお目覚めだな。勝者がどこに行こうが、敗者には関係ないだろう」


 隆三が一瞥すると、そこにはふらつきながらも立っている大龍がいた。髪には土がついたままで、焦点が微妙に合っておらず、今にも倒れるのではないかと思ってしまう程だ。


「俺は……まだ、負けてなど、いないっ!」

「そうかそうか。それはお前が決めることじゃなくて、見ていた奴が決めることだ。主従揃って負けたんだから、大人しく国に帰れ」

「主従、だと……!?」


 大龍の視線が青龍に向けられる。しかし、青龍は微動だにせず大龍の言葉を聞き流した。

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