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追放された悪役令嬢、イカに転生して最強に! と思ったら大魔王クラーケンの幼生でしたわ!  作者: 大沙かんな


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16/17

16.獲物には秘密がありましたわ

 がぶっ! がぶっ! がぶっ!


「痛いっ! 痛いっ! 痛いっ!」


 相手の噛みつき攻撃、大きな怪我にはつながっていないけれど、噛まれたところがやけに痛い。


 良く見ると、歯型に合わせて紫色に腫れあがっている。


「これ、まさか毒攻撃ですの?」


 毒耐性は一応持っているけれど、それは毒耐性(微)、ほんの気休め程度の能力でしかない。



「ええいっ! 反撃ですわ、覚悟なさいませ!」


 がぶっ!


 マジョリーカも大魚に思いっきり噛みつく。マジョリーカの口には牙は生えてないけれど、その代わりに硬いクチバシがある。大魚程度の硬さなら、問題なく齧れるはず。


「え? 痛い! なんで? ぺっぺっぺっ!」


 齧ってみると、なぜか口の中が酷くピリピリして痛む。この大魚、まさか毒持ちじゃないでしょうね?


 もしも毒持ちだとしたら、噛まれても毒、噛んでも毒。そうなるともう、イカんともしがたい。


 それでも何もしなければ、毒と噛みつき攻撃のせいで負けてしまう。毒の痛みはあるけれど、こちらも噛みついて攻撃し続けるしかない。こうなったらもう、毒で負ける前に倒す、これだ!


 ピリピリ体がしびれてるけど、ここは我慢するところだ。



――毒耐性が向上したダワ。微→弱


 おお! 毒耐性が強くなったっぽい! ピリピリしびれるのは変わらないし、痛いのは痛いままだけど、これで少し楽になった気がする。


 だけど両腕は腫れまくって力が入らず、使い物にならなくなってきた。でもここは逃がすわけにはいかない。腕だけじゃなく、八本の足も使って大魚を無理やり押さえつけにかかる。


「えええ~いっ! おとなしくしなさいなっ!」


 がぶっ! がぶっ! がぶっ!


 ぴりっ! ぴりっ! ぴりっ!


「ううう~、しびれりゅ……」



――毒耐性が向上したダワ。弱→中


 また毒耐性が上がった。こんな風にゴリゴリ毒耐性が上がっていくってことは、こいつの毒って猛毒なのかもしれない。


 毒耐性は中まで上がったけれど、痛みもあるままだし、しびれも残っている。両腕の腫れもまだ引かない。だけどちょっとづつ力が戻ってきている感じはある。


 力を込めて、最後の一発! がぶりっ!


 やっと急所に入ったらしく、大魚がおとなしくなった。



――レベルが9に上がったダワ。スキルポイントが98に増えたダワ。


 かなり苦戦したけれど、何とか倒しきったらしい。レベルが上がったことで、毒に侵されていた体もすっかり元通りだ。


「本当に厳しい戦いでしたわ。もぐもぐ……え、ああ、し、しびれりゅ……」


 ついつい自動を止めそこねて、毒持ちの大魚をパクパク食べてしまった。


 猛毒が毒耐性を突き破り、マジョリーカを直撃する。


 ああ、せっかく元通りになったというのに。


 ふえええ、からだがひびれて動けましぇんわ……。


 …………。


 ……。



――毒耐性が向上したダワ。中→強


 さらに毒耐性が向上して強になるまで、マジョリーカは動けないままで過ごすことになってしまった。



 ~~~~~



 ここは異界、神々の世界へとつながる場所。


 そこにいるのは異界の神、イカ神。彼女は毎日のようにマジョリーカを見守っている。


「危なかったダワ、なんとか介入しなくて済んだダワ。HPがあと四になった時は焦ったダワ」


 彼女は戦いが終わったのを見て、ほっと一息つく。


「お茶でも飲むダワ……ぶっ! げほっげほっ、何でまた毒になるダワ~~~っ!」





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