束の間の幸せ
ごーるでんうぃーく!
暇つぶしにどうぞ(^-^)
いつも遅筆ですみません
「可愛い可愛い可愛いーーー!」
ぐちゃんぐちゃんにされて虚な瞳になっている紅葉に心の中ですまんと謝る。そして隣で実母の恐ろしい一面を知り、固まっている兄上に尋ねた。
「兄上、母上はいつから少女欠乏症になられたのでしょうか?」
ただでは反応してくれなかったので肘でゴンッと突いた。…やっと気がついたか。
「…詳しくは知らないが…ケン坊が任務に出かけてから譫言が多くなったような…気がしないでもない。」
「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い‼︎私の子にしたいぃー!」
むにゃむにゃと頬を潰されている。大丈夫か?
「母上、失礼仕奉ります。」
兄上が母上の指を一本一本丁寧に外してゆく。悲鳴は聞こえないフリだ。
「紅葉殿、大丈夫ですか?」
孔雀丸様…?ケン坊…?
「だ、大丈夫です。あの、ここは、その、何処ですか?あ、あと、お面どこいったか教えてくださいますか?あと、あと、私の両親は何処に…?」
あっ。と口を思わず閉じた。恐る恐る顔色を窺う。無礼な態度をとってしまった。ここは謝らねば。いや、謝って許される話ではないかもしれない。だって御偉い御方だから…
「す、すみませっ…⁈」
手をついて頭を下げようとする私。でもそれよりも早く彼が畳に額をつけた。
「母上が申し訳なかった。」
え?
途端、隣の物凄く綺麗な女の人が呟いた。
「ケン坊仕事でいないし、旦那様は書斎に篭りっきりだし、つまらなかったのよ。孔雀丸は自律させときたいからあんまり構いたくないし。あとね、あとね…」
まとめると、欲求不満になられてしまった?らしい。
「あの、私、領主様に無礼なことを…」
ぷふっと吹き出したのは誰だったか。
なんだかよく分からず恥ずかしかったけど、みんなが可笑しそうに、無邪気に笑っていて。つられて今まで引き攣っていた私の頬も緩んだ。
こんな風に暗いことなんて忘れて、どんな結末が待ってるか、なんて考えずにただ平和にみんなで笑い合えたのは私の人生の中では最初で最期のことだった。
ほろほろり




