魔女
俺とファリスは、目の前の黄金の扉を押した。扉のずっしりとした重さが腕に伝わってくる。
中は大きな体育館並みの大きさの空間のフロアだった。
壁も床も全て氷で出来ていた。所々に氷の柱が建っており、天井を支えている。
俺達は、警戒しながらゆっくりと奥へ進んだ。
フロアの奥に、氷で出来た玉座が見える。そこに一人の女性が座っていた。
純白のドレスを纏い、顔立ちは良く、しっとりとした長い漆黒の黒髪で、肌は白くツヤのある美しい姿の女性だ。天井から降る青い光がドレスを青白く照らし、冷たい空気を漂わせている。
魔女で間違いないだろう……。ドレスを纏った雪女といったところか……。
「あれが魔女か……」
その魔女は、頬杖をつき、こちらを見て微笑んでいた。
ソエルが、まるで亡霊でも見るような顔をして、言葉を出す。
「ドウシテ……『ジュリア』サンガ……」
ソエルは、魔女の名をジュリアと言った……俺は、その名前を知っていた。勇者ヒロシイの手帳に書いてあった人物だ。
「まさか、魔女の正体は勇者の思い人なのか!?」
魔女は、頬杖を解き口をひらく。
「誰かと思えば……あなた、ソエルね。久しぶりですね。100年ぶりぐらいかしら……」
魔女は、のんびりとした静かな口調で、ソエルに優しく話しかけた。
「ジュリアサン! 生キテイタノデスカ!」
ソエルは、ゆっくりと魔女に近付いた。




