布石
「奴の回復力、どうやって奪ったんだ?」
俺は、彼女達に聞いた。
メイデンはそれに答える。
「最初のローズバインドで布石を打っておきました。タカシ様に植え付けようとしたシバリカズラの種を、邪神ヤリィカにローズバインドで植え付けました」
俺は、邪神ヤリィカの周囲を調べた。すると、焦げた体の後ろに不気味な花が咲いていた。
「これか……」俺は、その花を刀で割ってみた。
すると、紫色の水晶が姿を現した。それは、間近で見ると、異様なオーラを放っていた。
「ソレハ『エナジークリスタル』生命力ヲ保存スルモノデス。シバリカズラガ奪ッタ生命力ヲ、コノ水晶ガ保存シテイタデス」
ソエルが、解説してくれた。
「ハーピ!」
突然ハピィが焼けた邪神ヤリィカの所に、涎を垂らしながらパタパタと飛んできた。
そして、焦げたイカの上にとまり焦げを足の爪でかき分け、中の肉を引きちぎり口の中にいれた。
「結構いけるっスね」
ファリスも、一緒になって食べていた。
「食えるのか!?」
見た目はイカなのだが……。
ハピィとファリスは、うまそうに邪神ヤリィカの肉をほおばる。
俺も、それにつられて味見してみようと思ったが、遠慮する事にした。
今回の戦いは、俺にとって怒りを発散させられずに消化不良で終わった戦いだ。
それなのに、こんなものを食べたら消化不良を促進するだけだ……そう思ったからだ。




