メイデンの魔法 2
俺は、メイデンにもう一度聞いてみた。
「ま、魔法なんだな?」
「はい。ソエル師匠が言うには、『ヒロ式』という、勇者が考えたものだそうです」
「勇者絡みか……」
俺は、ため息をついた。
「普通に詠唱とかする大魔導師的な大規模範囲魔法とかないのか」
「あります。でも、ちょっと危ないかな」
少し、嫌な予感がした。
「ドーンと使えー!」
「見たいでーす」
ファリスとケンタ君は、見る気満々だった。
「じゃあ行きますよ」
メイデンは、どこからともなく高級感漂う黄金の魔法の杖を取り出し、空に向けて掲げた。
そして、念仏を唱えるかのように詠唱を始めた。
すると、杖の先が光り輝き始めた。
杖は輝きを増し、光の玉を形成する。そしてその光の玉はどんどん大きくなる。
「あ、まずいです! マナの吸収が止まりません! 逃げて下さい」
「え?」
光は、まるで風船のように大きく膨らみ始めた。
「最大出力で放つ事になるので、みんな下がってください」
嫌な予感は的中した……。
「ファリス、ケンタ君、離れるぞ!」
「わかったっス」
「逃げまーす」
俺達は、急いでその場を離れた。
それは、この世ならざる光景だった……沼全体を囲む光の柱が立つ。その光は、音をも飲み込んで静かに収束した。
沼は、深くえぐり取られ、底の方から水が湧き出していた。
「ちょっと失敗しちゃったかな……テヘッ」




