メイデンの魔法 1
俺は、メイデン、ケンタ君、ファリスと一緒に干からびの沼に来ていた。
メイデンの魔法を見ておきたいと、ファリスが要望を出していたので、危険な技をだしても大丈夫なようにここに来た次第だ。
──大魔導師の魔法のお披露目会が始まる──
「じゃあ、最初に簡単な魔法から出していきます」
メイデンは、ボクサーのファイティングポーズのような構えをとった。
「よっ! 待ってました!」
「何が見れるか楽しみでーす」
ファリスとケンタ君は、宴会芸でも見に来たような眼差しでメイデンを見ていた。
「構え? ま、魔法だよな」
魔法を使うスタイルじゃないのは明らかだった。
メイデンは、体を低くして踏み込み、地面をこするようなアッパーを繰り出す。
すると、前方に向けて炎の柱が波のように連続で立ち上がった!
「おお、すげえっスねぇ!」
「かっこいいー」
ファリスとケンタ君は楽しんでいた。
メイデンは、態勢を立て直すと、今度は後ろ回し蹴りを放つ。その瞬間竜巻が発生し、前方に飛んでいく。
「…………」
俺は、言葉を失った。
その後も、格ゲーの必殺技のような派手なエフェクトが、次々と繰り広げられていった。
それらの魔法は、俺の魔法のイメージを粉々に粉砕した。
「メイデン、魔法だろ! 詠唱はどうしたんだ?」
「肉体言語が詠唱です!」
彼女はそう言って、あどけない笑みを浮かべた。




