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タカシの異世界無双計画 ~銃と仲間と異世界と~  作者: 夢奏 舞P
第2章 依頼をこなそう
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第19話 虹色の輝き

 俺たちは、昨日の残りのおにぎりで朝食を取る。余ったおにぎりは、ケンタ君へのご褒美として、竹筒に入れておいた。


 とりあえず、メイデンとファリスには、ソエルが仲間になった事を伝えた。すると、2人は不機嫌な顔をして、ソエルを睨みながら話した。


「デカ乳ソエルが仲間になったっスか。大将の決定なら了解っス」


「タカシ様、私も最強のデカ乳になります! 見捨てないで下さい!」


 2人の言葉に、俺はため息をついた。ソエルのデカ乳は、2人にとってはショックだったのだろう。胸を気にするのはわかるが、仲間になったのだから、なるべくなら、仲良くやってほしい。そう思うばかりである。


 俺たちは、歩いて山を下り、ふもとで待機してくれていたケンタ君と合流した。


「ご主人様~! 無事でなによりでーす!」


「ああ、ありがとう。それと、お土産だ」


 ケンタ君に、おにぎりを渡す。


「あ、ありがとうございます! 一生の宝にします」


「いや、しなくていいから、腐らないうちに早く食え!」


 俺は、ケンタ君に無理やりおにぎりを食べさせた。おいしそうに食べている。


 ケンタ君の食事が済んでから、俺たちは獣車に乗り込み、ミツユスキーの家へと向かった。


 獣車に揺られながら、俺はソエルがくれた手帳の事を思い出した。ジャージのポケットから手帳を出し、目を通してみた。


 その手帳には、日記が書かれていた。南方戦役マラーリア討伐後の記録が書かれてある。おいしい米、味噌、醤油の作成の記録。不思議な保存方法の記録。書いてあるのは、この世界で役に立ちそうな事ばかりだった。だが、最後の方に、一つだけ悲しい出来事が書いてあった。


 結婚を約束したジュリアの突然の容態の悪化。ジュリアを救うため、北にするドラゴンを捕まえに行ったこと。だが、その先は書かれていなかった。


「なあ、ソエル。どうしてこの先、書かれてないんだ?」


「ああ、それは…………勇者はそこで息絶えたのでーす」


「ああ、そうか……じゃあこのジュリアって人は……」


「お察しのとおりでーす」


 その話を聞いていたソエルの表情は、すこし、悲しそうだった。俺は、この話に触れるのやめることにした。


 ミツユスキーの家についた。獣車を降り、玄関先へと向かう。家の扉が開き、ミツユスキーが俺たちを出迎えてくれた。


「お待ちしておりました、ご主人様。その様子だと、薬を入手できたのですね」


「もちろんさ」


 俺は、ミツユスキーに薬を手渡した。


「じゃあ、さっそく使ってみます」


「水で溶かして、石化した部分にかけてくださーい」


「もしかして、賢者様ですか? では、そのように……」


 ミツユスキーは、桶に水をいれて薬を溶かす。そして、桶をもって娘のミーシャのいる部屋の扉を開けた。ミーシャは車椅子に座り、うつろな目でこちらを見ていた。


「ミーシャ、もう、大丈夫、大丈夫だぞ」


 ミーシャは、ミツユスキーの声に、あまり反応していなかった。ミツユスキーは、ミーシャの体に巻いてあるシーツを外し、石化した部分に、水をかけていく。


 俺は、少女のすぐ傍で、回復を見届ける事にした。


 石化された体にかかった水が、湯気を出し始める。そして、湯気を出しながら、石化した手足は、徐々に肌の色を取り戻し始めた。


 ミーシャの絶望した目に、輝きが戻り始める。ふと、石化の解けたミーシャの手の指が、少しだけ動く。

 

「お父さん、動くよ」


「ああ、当たり前だ、治ったんだよ」


 ミーシャは、軽く腕と足を動かす。何の問題もなく、手足は動作していた。


「治ったんだね……治ったんだね……」


「ああ、治ったんだ!」


 石化の解けたミーシャは、自分の力で立ち上がり、力のない細い腕で、俺のジャージをしっかりつかんだ。そして、お礼の言葉を投げかけた。


「ありがと……おにいちゃん……ありがと……」


 ミーシャは、涙を流しながら、小さな声でお礼を言い続けていた。


 俺は今まで、人のために頑張っても、ウザがられてばかりだった。だが、ここでは、そんな俺の気持ちや行動が、まっすぐ反映されている。人からこんなに感謝されたのは、本当に初めてだ。


 俺は、照れながら少女の頭を撫でてあげた。本当に良かった。これでミーシャは普通の生活に戻れるだろう。


 ──俺は……いや、俺たちは、一人の少女を救うことに成功した!


 腕のリングは虹色に輝き、任務の達成を祝福する。それはSSSクラス任務を受ける準備が整った事を意味する。俺たちの冒険は、まだ始まったばかりだ。


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