遠映の鏡 1
まだ、いろいろと疑問は残るが、知りたいことを知った俺は満足した。
「どうせ死んでしまったのなら、必要のない知識だな……」
「そうでもないですよ、あなたは生き返るチャンスがあるんですよ」
ジュリアが優しい声で話す。
「たとえチャンスがあって生き返ったとしても、俺の計画はすでに成り立たない。そして仲間も失った……」
「本当に、そうですか?」
ジュリアは、怪しげな鏡を胸元から取り出した。そして、その鏡を前方にかざした。すると、鏡は光を放ち、前方に投影を始めた。
その映像には、倒れている俺の姿と、メイデンとソエルが映っていた。さらに、声が聞こえてきた。
「タカシさん、しっかりして! 私はあなたに感謝しているんです! あなたがいなければ、私は強くなれなかった……ソエル師匠にも会うこともできなかった!」
「生キ返ルデース、タカシサーン!」
メイデンは俺の体を抱え、ソエルは祈っていた。
「これはいったい?」
「『遠映の鏡』です。その場の出来事を見せてくれる女神から預かったアイテムです」
ジュリアはそう言うと、別な場所を映し出す。
「タカシはお前らを操っていたのにか? ファリス、どこまで人がいいんだ?」
ファリスとアランだった。
「タカシは死神と忌み嫌われたあっしを拾ってくれたっス。それに、たとえ操られていたとしても、あっしの記憶では仲間として恥ずかしくない男だったっスよ」




