第四話:だって、俺はオタクだ
俺はやっと家に帰り着いた。しかし、ドアを開けた瞬間に……
「お帰りなさいませ、ご主人様」
「オリビア、何でここにいるんだ!?」
驚いたことに、ドアを開けた瞬間、メイド服を着た少女が手に料理の皿を持って、俺を出迎えていた。その正体は他でもない、オリビア。あるいは、この世界ではイケダ・サオリと呼ばれている。
「夕食の準備をして、こうしてお迎えしているだけです。メイドとして、それが当然の仕事ではありませんか?」
「そりゃあ分かってるけど、俺は別に頼んでないだろう。そもそも、なんでお前は家に帰らないんだ?」
「何をおっしゃっているのですか、魔王様。私には家などありません」
「お前、何言ってんだ? 本当に家がないのか?」
「はい」
「じゃあ聞くけど、この世界に来てからどこに住んでたんだ?」
「ゴミ捨て場と呼ばれる場所です」
「何!」
俺はすぐに驚き、目を大きく見開いた。
こんなゴミ捨て場みたいな場所に、魔王軍将である彼女が住んでいるなんて信じられない。正直、あまりの衝撃に言葉を失ってしまった。
「冗談です。実は、ここから近くに家を借りているの。だから、あまり驚かないで」
「なぜそんなことを冗談で言うんだよ!!!」
待って、オリビアがもう家を持っているなら、
「わかった、夕食を作ってくれてありがたいな。今すぐここから出て行け」
俺はオリビアを家から追い出し、ドアを閉めた。
「魔王様、魔王様、開けてください」
彼女が激しくドアを叩いている。
「うるさい、これ以上ドアを叩くなら、覚悟しろ」
まったく、なんでこんなことになっちゃったんだろう?
「……」
急に静かになったな。オリビアはもう帰ったのかな?もしそうなら、良かったけど……ああ、明日はまた何か面倒なことがあるかもって、なぜこんなに不安な気持ちになるんだろう。
まあいいか、今はアニメでも見よう。
* * *
翌朝
「ふう、昨日は本当に疲れたな」
今朝は、普通の高校生としての平凡な学校生活を送った。
放課後、俺とオリビアは一緒に帰ることにした。
今頃カズコが夕食の準備をしているだろうから、急がないと。
しばらく歩いたところで、突然オリビアが立ち止まり、胸に手を当てた。
「どうした?」
「魔王様、どうしてここに住むのが好きなの?」
「え? なんで急にそんなことを聞くんだ?」
「答えてください」
それは面白い質問だな。なぜ俺がここに住むのが好きかって?
うーん、そうだな。ここでの生活はとても楽しいんだ。新しい喜びもあれば、以前にはなかった悲しみもあるしね。
人間になってから今まで、家族ができて、友達ができて、学校に通えることが本当に幸せなんだ。そして何より、この人生の意味を理解できたことが一番大きい。
昔、魔王だった頃を思い返すと、生活がとても退屈で、ただ戦いを繰り返すだけだった。プリシアの人間もあまり好きじゃなかったし、あの世界はほぼ腐敗していたからな。もう昔の話はいいや。
でも、新しい生活を手に入れて転生してから、ここでの人々にも面白い一面があることに気づいた。ここでの人々をとても大切に思っているし、生活も以前よりずっと楽しくなった。特に、アニメやマンガ、ライトノベルがあることが大きい。プリシアではこんなものは存在しなかったから。
だから、ここでの人々に害を及ぼすようなことは絶対にしないつもりだ。それどころか、守るべきものを守っていくつもりだ。
だから、普通の人間として生きることに決めた。でも、もし聖騎士たちがまた俺に迷惑をかけたり、ここでの友人や家族に危害を加えたりするようなことがあれば、遠慮なく全員を排除するつもりだ。
いつか必ず、プリシアに戻って、レイがずっと夢見ていた世界を実現させるつもりだと信じている。
これ以上は十分だ。さて、オリビアの質問に答えよう。
「だって、俺はオタクだ」
「それはどういう意味ですか? よくわからないんです」
オリビアは俺の素っ気ない返事に対して、困惑した表情を浮かべた。
「そのうち、わかるようになるさ。ところで、俺とカズコと一緒に夕食を取らないか?」
「私?」
「安心して、俺の料理が得意だよ。きっと気に入ってもらえるさ。遠慮する必要なんてないから」
俺は笑いながら言った。
「はい、ありがとうございます、魔王様」
「それから、他の人の前で『魔王様』とか呼ぶのはやめてくれ。俺のことは『ゼルト』って呼んでくれればいいし、俺もお前のことは『サオリ』って呼ぶよ」
「はい、わかりました」
「わかった、さっさと帰ろう。カズコが待っているだろう」
「はい」
会話が終わると、俺とオリビアは楽しそうな表情で、元気よく家に向かって歩き始めた。これ以上、何も起こらないことを願っている。
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