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カンナ&ゆうな  作者: Toy
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vol.27(4)



自分に追い立てられ、見えない何かに追いすがる

気がつけば、しゃにむに自転車を踏みしめていた僕

雨になりきれない細い夜露が頬に筋を作り、

月光が黒く巣作る雲の塊りをすり抜け、僕を手を差し伸べる。

憐み・(なぐさ)めか、それとも僕を(あざけ)るためのか。

僕もまた、人知れず彷徨う夜光虫


僕を取り巻くちっぽけな世界

守らなければいけない不文律が多すぎて・・

学校の規則に、社会のルール

常識に、見えてくる当たり前

秘密に、約束

愛想笑いに、しがらみまで

自分が浸かる空気でさえ、窮屈に感じてくるのは、僕だけだろうか。

ときおり覗かせる行きずまった閉塞感

得体も知れず目にも見えない圧迫感が僕を押しつぶそうとする。

多すぎて、大きすぎ重すぎて、もうこれ以上、もはやと思うとき、

あまりにも深く落ち込んで、今度こそひとり逃げ道がないと感じられるときがある。

道にさまよい、どこかでどうにかしないといけない自分

わかっている。

なのに、どっちにつかず、どうにもならない僕がいるときがある。

こんな自分に価値が見い出せない自分

時に見える。一体どうしてこんなにも僕は、うんざりしているのだろう感・・

この空も夜も自分でさえも

あらゆるすべてが型にはまって、つまらなく思えるとき、

今までの当たり前がすべて疑わしく思えてくる。


雨の日の方がずっと楽に感じるとき

解放よりも締め付けられる方が楽に感じるとき

踏み外すことがこんなに難しいことなのか。

本当はわかっているんだ。

僕はいつでもどこにでも誰も知らない所に行けるはずなのに、ただその勇気がないだけ。


こんな戯言、誰にも言わない。

誰の同感・同情も欲しないし、泣き言にしか聞こえやしない。

だろ?

この世界~究極の悲観

実はそうじゃない。むしろその対極にあるものを僕は待ち望んでいるんだ。

すべて自分が決めたこと、すべては自分が決めること。

そうだろ?


この世界から逃れるために・・

違う・・このちっぽけな世界の向こうに行くために

そこにあるはずの世界を信じ、その扉をこじ開けようと、身をよじる今

扉の足元から漏れ出る光

そう、それはまるで頭上の差す月光のよう

憐み・慰めでもなければ、嘲りでもなかった。

・・僕に届く栄光の灯

僕には見える扉が、そこにある。

誰かその扉の鍵を貸してくれないか。


どこからもどこへも抜け出せないのはわかっているんだ!そんなこと。

世界が変わるんじゃなく、僕が変わらなければならないこと。

そして今、僕はその道程にいること。

月夜が照らす時雨(しぐれ)

月の光りが霧雨に溶けて粒子になり、時の流れを超えて、揺れる僕を漂わせる。

ひと時でもいいから、この世界を忘れさせてくれ。

僕を僕から解放し、ひと時でも自由を味あわせてくれる宙を僕に舞わせておくれ。

細い霧が溜まるのを(まなこ)に感じ、鼓動が鳴り、体温がプラス0.5度上昇

踏みしめるペダルが空を切る。

それでもペダルを踏みしめる

あの暗雲を引き裂き、光の先に届けぇっ!

あの扉の先に・・

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