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魔法文明論  作者: ゼリー
二章 純水と宝石と闘争の日々
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22 新人戦前日のことです

「よーし明日の新人戦に備えて、たんと食べるぞー!」

「「おー!」」


 二人とも相変わらず山盛りだ!というかちょっとさらに増えてる?

 自分も負けじと山に盛る。流石に富士山盛りだと後が動けなくなるので高尾山盛りだ!自分しかわからないだろうから自分で笑っとこう。

 四人席を見つけたので座る。二人にもここだと合図しよう。と、アレは?


「…おい」

「?…ええとあなたは」

「ナサカだ。いいか、明日は絶対に二回戦まで勝ち上がってこい。いいな」


 同じクラスにいる宝石の指輪をジャラジャラ付けてるやつだ!


「わたくしが一回戦で負ける。とでも?」

「油断から、万が一ということもある」


 ナサカはこちらをチラリと見て、・・・にらみつけてきた!


「油断?貴方、七太郎さんとの戦いがそうだったとでも?」

「そうは言わない、が腐っても主席だ。負けたとあらば我々すべてが弱いと思われることもあるだろう」

「腐っても?」

「実際コイツの軍門にくだっている」

「そう、見えるのですわね?」


 ああ、なんかマリの地雷を踏んでるのをひしひしと感じるなぁ。

「よろしい。ああ…そう言ってナサカさんが一回戦で負けたら卒業までいじってあげましてよ」

 普段のにこやかなマリの笑顔が消えて目を細くして相手を見ている。これはこれで色っぽく見えなくもない。自分が相手だったら勘弁だけども。


「ありえんな」

「では明日楽しみにしていますわね」


 フッとナサカは振り向いて去っていった。


「いや~バチバチだったな!」

「喧嘩売っているのかしら?」


 いや紛れもなく売っているんだろう。


「せっかくあなた方との楽しい食事タイムでしたのに」

「楽しいと思ってくれているんだ?」

「あっ、いや、・・・そりゃまぁ誰かと食事するのは楽しいですわよ!」

「それじゃあ私もいていいね、キャハ」

 コイツは…。

 こないだマリに絡んでいたサワが、勝手に自分の横に座る。


「楽しい食事にあなたは必要ありませんわ。お引き取りを」

「そんなこと言わないでよん。ほらほらほら、ちょうど男女2:2だしぃ?」

「で?アナタもわたくしに喧嘩を売りに来たのかしら?」

「そりゃあねぇ、ウォーターカッター(笑)さんと一回戦で当たるんですもの、敵情視察ってやつ~私って真面目じゃない?」

「懲りないお人ですわね」

 マリは無表情で食事を口に運んでいる。

「ほ、ほらせっかくのご飯だし、楽しく食べないと」


 自分のセリフながら滅茶苦茶場にそぐわないことを言ってるのは理解できているんだよ、これでも。


「七太郎く~ん、やさし~ね」


 サワが腕を組んでくる。あ、マリの額に血管が…。

それを見てサワはニヤリとし、


「熱くなっちゃいやん、ほらほらこれで落ち着いて、ねっ!」

 サワがコップに入った水をぶっかける。

「…」

 マリが手を広げその水が静止。

 そして指を一本立てる、一円玉くらいの塊に分かれ、

くるくる指を回すとマリの首元をぐるっと周って、

「サワさん、水はかけるものではなく飲むものよ」

 サワを指さすと、その水たちが一斉にサワの口の中に飛び込んでいった。

「あぼぼぼおぼおお…」


 そのまま椅子ごと床に倒れる。あ~あ、スカート短いからパンツ丸出しではしたない。


「だから油断なんてしないと言いましたのに」

「マリ、それナサカが言ってたやつ」

「あらごめんあそばせ。・・・あ~少しすっきりしましたわ」

「それにしても…また、なんか水の操作うまくなってない?」

「そうかしら?毎日のことですので意識したことは無いですわね」

「もうさめるし食べようぜ!」

「そうだね」

「そうだねじゃないわよ!わたしっをむしっすんなって!」

「あらサワさん、まだいらしたの?」

「ずっといたわっ!明日を覚えてなさい」

「ええ、楽しみにしてるわ」

 マリは薄く笑う。サワはプンスカ怒ってどこかにいった。


「にしても、もう明日の対戦相手決まってるってこと?」

「そうだと思いますわ」

「見てないの?」

「いつ見たところで対戦相手が変わるわけじゃありませんもの」

「対策とかしないのか?」

「誰にでも勝てるようにすることが肝要ですわ」

「そっかぁ、なるほどね」

「しかし…二戦目は少し苦戦するかもしれませんわね」

「ナサカ?強いのか?」

「確か入学試験で次席か三席だったかと」

「へ~、っていうかサワさんは?」

「眼中にございませんことよ」

「どうして?」

「人に噛みつくのは怖さの裏返しですわ。最初から臆している相手に私が負けるとでも?」

 やる気満々じゃん



-----



放課後、マリと魔法練習中のこと。カガミは筋肉の会合で最終調整があるとか何とかでどこか行った。


「そういえば空間収納って、収納先はどうするんだろう?」

「七太郎さんできそうなんですの?ああゲートの応用で」

「なんか先生が覚えとくといいって」

「…確かに理に適ってはいますわね。というかできませんの?」

「まだ目に見えてない場所をイメージできなくて・・・」


 アニメの影響もあるけど四次元空間に置いておくみたいな印象だけど。


「う~ん私が聞いた学会ランカーのお話ですと、倉庫を借りてきちんと施錠した上でその中のモノを取り出すっていうお話でしたわね」


 思っていたのと違う!


「以前部屋のモノを取り出そうとしたら盗まれていた事件があったそうで…。学会やダンジョン中ですと困ってしまいますわよね」

「そ、それはそうだけど…」

「人によっては家の敷地内の地下に空間を作って入り口を埋めて…みたいな人もいらっしゃるみたいですわよ。まぁお金持ちならではでしょうけれど」


 そこまでして…。


「あっ、あと手を伸ばして取るわけですから、ちゃんと接続座標から手の届く範囲にモノをかためておくことも重要ですわよ!パッキングの技術ですわね!」

「な、なるほど?」


 そんなこと考えたこともなかった…。


 ん~そしたらとりあえず自分の部屋でいいのかな?あ、それなら確かにイメージしやすいかも!

 あと、火炎瓶の話みたいに、無理に魔法で攻撃しなくてもいいんじゃないかと考えると…。


 コレが一番収納にもあっているしよさそうだ。

 人相手ならそれなりの攻撃力だろう。よし、準備万端!

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