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魔法文明論  作者: ゼリー
二章 純水と宝石と闘争の日々
26/37

21 のんびりとした一日でした

早朝




 なんだかんだで、こちらの朝のランニングに付き合ってくれているマリとカガミ(但し最後の一時間ほど)




「毎朝無理してない?」


「七太郎さんこそこちらにペース合わさせてしまって申し訳ないですわね」


「そうだぜぇ」


「いや一人で黙々と走るだけっていうのもだるくなっちゃうから、助かってるよ」


「わかるぞ、筋トレも一人にしてならずだわ」


「それはよくわかりませんけれども。最近明らかに調子いいんですわよね。無駄な肉も少し減った気もしますし」


 マリは自分のお尻を叩く。


 いや、そういうところ素でやってるんだろうけど、他でもやって無いか心配になる。美人ではあるし。


「おうおう、マリ!何アピールしてるんだ、七太郎!そんな軟弱な尻より引き締まった尻の方が良いぞ!ふんっ!」


 ど、どうしろと?しかもなんかマリが対抗してムッとしている。


「七太郎さんはどっちがいいんですわ!?」


 だからこっちに判断をゆだねないでほしい!この状態でどっち選んでも火種じゃん!


「ほ、ほら、そもそも性別差もあるしさ。張り合わないで」


 二人ともちょっとムゥっとする。




 ああ、とマリは思い出したように話し始める。


「そうそう筋肉で話がそれてしまいましたけれど、走り始めてから魔法を扱うときも余裕ができてきたといいますか…」


「ああそうかもしれないね。師匠からもまず体力鍛えとけって言われたし」


「そこがおかしいよなぁ、普通そのまま魔法の練習しろ!になるじゃん?」


「ん~体力鍛えると、集中力が持続するってことと、エネルギー変換に体力を使用する分が増えるみたいなことだったかな」


「あ~それはわかる、俺が筋肉鍛えているのと同じようなことだな~」


「…わたくしの実感も入れるなら、血流の魔力運搬量も増えてる気がしますわね。結果一気に放出できる量が増えたというか」


「そうなの?」


「今まで10cm程度の水球だと同時射出が24個程度だったのですが、26個まで増えましたの」


「たまたま調子が良かったとかじゃなくてか?」


「絶対とは言い切れませんが、おそらくは…」


「これまでやってこなかった分野だから(ランニングのこと)、すぐ結果につながったのかもね」


「きっとそうですわね!これからもしっかり続けることにしますわよ!」


「っていうか血管で魔力運搬~?」


「あらカガミさん知らないんですの?」


「…自分も知らない」


「あらあら。わたくしも医学は詳しくないのですけれど、、


細胞に魔素を保管し、血流に合わせてその魔素を材料とした魔力を流す。といった具合ですわね。


つまり食事から吸収、貯蓄は魔素。使う時は魔力にして血中へという感じかしら」


「へーつまりいっぱい食えってことだな!」




・・・電気とかは無いのに、なんかこの世界は異様に一般人の科学的な知識が高いよなぁ…。




-----




アオちゃん先生の授業にて




「そしたら、マリ実演を」


「はい」




 マリは立ち上がり壇上に出る。一瞬こちらを向いてウインクをした。


 先生が何やら耳打ちをする。




「例えば水の魔法となるといくつかパターンがあるが、まず一つ目」




 先生は水道の蛇口をひねる。




「はっ!」




 マリが集中し身体に光を帯びる。


 蛇口の水の一部がふわふわと球体になりマリの目の前に浮いて移動する。




「このように元々ある物質を移動する。これは水ではあるが本来の水魔法とは厳密には違う。


念動力サイコキネシスのようなものだ。水のように流体のものを固定して移動するには通常の固形の物質と比べて困難なため、少々難易度が高い。次」




「はい」




 マリが再び集中する。さっきとは発光の仕方が違う気がする。




 手から水が溢れ、先ほどの水と同じようにふわふわと目の前に浮いている。




「これは本人から発生させた水だな。人間の水分を魔力を使って外に移動させるパターンだ。物質自体が体内にある分難易度はまぁまぁ程度だが、体内にある水分を出すということは、不足する可能性も考慮のこと。同じような手法で大気中の水分から集める方法もあるが、より広い体積が必要となるだろう。では次」


 先生が説明している間にマリは飲み物を飲んでいた。


 話を聞くところによると減った分の補給だろう。




「はい…」




 マリは目を閉じ、先ほどよりも深く集中しているように見える、そして時間を掛け、徐々に体中から先ほどとは比べ物にならない光を放つ。




 パァンッ!!


 爆竹のような音と光、風圧、火炎が一瞬生じ、その目をつぶった一瞬でマリの目の前にごくわずかな水分が顕現していた。




「ごくろう」


「どういたしましてですわ」




 そう言うとルンルンと隣の席に戻ってきた。




「これは化学で言うところの水素と酸素を結合させ、水を作るパターンだな。0から材料を混ぜ合わせている分、明確なイメージ、高度な知識、高い集中を必要とする。水魔法を極めんとするならば、これができることによって様々な応用が利かせられるので、まずは量は少なくともこれをできることを目標とするように」




 隣のマリを見ると、嬉しそうにピースをしてくる。


 この時点でここまでできるってすごいんだな。


 そう思っていたら、ノートの端にまだあの程度の量しか作れませんけれど、オホホ。(自画像付き)と書いてみせてきた。意外と絵うまいな!

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