18 一つ夢が叶いました
昼休み、マリと一緒に学食ビュッフェに来た。
初めて会った時から考えると随分懐かれたもんだなぁ。
しょっぱなから窒息させてきたもんな。
「七太郎さん?疲れ切った顔してどうしたんですの?」
「いや…」
君のせいだよとはとても言えない。
見えないようにため息をつく。そしてマリの方を見ると…。
え、めちゃくちゃ山盛りなんだけど!?
「マリ、そんなに食べるの…?」
「え、当然ですわ?」
そう言うとマリは眉をひそめて、
「もしかして知らないんですの?」
「何を?」
仕方ないなぁという顔をする。そして人差し指を立て、
「良いですか七太郎さん魔力は」「魔力は食事によって補充されるんだぜ!」
「カガミさん…」
マリは自分の説明が盗られたことに不満そうだ。
「よっ俺の名前はカガミ!決闘見ていたぜ、よろしく七太郎!」
「よろしくカガミ」
「座右の銘は筋肉は魔力!つまり食べ物が全ての源ってわけさ!」
カガミは筋肉ポーズを取りながら大口を開けて笑う。
「正確には魔素が食事で補充されるのですわ。そして体内で魔力に変換できる。と」
マリは耳打ちしてきた。顔が近い!
「よくわかった。ありがとう」
声が上ずってなかっただろうか?
「だからもっと食べるんだ七太郎!」
「…えっとどういう人なんだろ」
マリに今度はこちらからヒソヒソ話す。
「以前からわたくしにやたら話しかけてきていましたが、暑苦しいので放っておいたのですわ」
・・・友達いなくて転入生の自分に話しかけてくるレベルなのになぜ選り好みしているんだ?
「あ、でも七太郎さんも同性のお友達がいた方が安心できますわよね?それならおススメいたしますわ!悪いお人ではないので」
・・・自分は同性の友達すらいないのに、どういう目線でしゃべっているんだ?保護者か?保護者なんだな?
「とりあえず立ったままだと邪魔ですわ、せっかくですので三人で食べましょう」
「そうだね」
「しかし、入学してから毎日思っているがここの食堂はほんとにうまいな!」
「そうですわね、レベルが高いですわね」
「そうなんだ?」
味付けの好みとかもあるから一概には言えないけれど、ごめん正直な気持ちとしては師匠のご飯の方がおいしかったな。
-----
「ごちそうさまでしたわ」
マリがあの量を食べ切っている…こんだけ食べてこのスタイル維持しているのだからすごいな
「何見ているんですの?」
と言ったマリが何かに感づいた様子で。
「フフン、七太郎さんもう無駄ですわ。わたくし油断しませんもの」
え、なにがっ!?
「やっぱり実習後は腹も魔力も減るしな!食べないとな!」
「なるほど、そういうもんなんだね」
「おーう」
「飲み物も頂きましょう」
移動した先には
全自動販売機!
しかもすごいぞ、みかん、リンゴ、ブドウ、モモまである!
「どうしたのです七太郎さん、そんなにへばりついてキョロキョロいたして」
「い、いや。自動販売機使ったこと無くて…(こちらの世界ではだけど)」
「まじか!?」
「七太郎さんはどんな田舎からでてきたのかしら?わたくしの村ではなかったですけれど、少し行ったところの街にならありましたわよ?」
「・・・村?」
「あっ!ちがっっ!お、オーホホホ、そう、わたくしのような高貴の者が使う機会なんて全然ありませんでしたわ!」
村って言った、絶対聞いた。カガミと目を合わせ、頷いた。
「あれ?これコイン投入口は?」
「七太郎さん知りませんこと?」
「??」
「学院内は飲み物タダだぜ」
「!?」←毎回水飲んでた人
「まぁビュッフェが無料なくらいですからね」
「知らなかった!」
「じゃあわたくしが見本を見せて差し上げますわ」
「流石にわかるだろ」
「いいじゃないですの。好きな自販機を選んで、ここの出っ張りに魔力を少し流すだけですわ」
「魔力認証だっけ?」
「そうですわ」
「ただ、これは噂なんだが、飲みすぎると魔力認証読み取られなくなるといううわさが…」
「ええ!?初耳なんですが」
「あくまで噂さ。ほら七太郎が待ってるぞ」
「ああ失礼いたしました。こうして魔力を注ぐと」
マリが僅かばかり流す。するとジュースが出てくる。
「あっ!!」
マリが地面に膝をついた。
「コップ入れるの…忘れましたわ…」
ジュースが延々と直接排水されていく。
「コップが大体近くにあるから、使ったらいいぜ」
「ありがとう」
そしたらミカンジュースを選んで、魔力を流し込む。
ちゃんとコップも置いてるよ!マリの死を無駄にはしない!
コップにジュースが注がれ、
「やった、できた!」
「おめでとう」
カガミとマリが拍手をしてくれた。
これで一つ上の男になったぞ!




