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魔法文明論  作者: ゼリー
二章 純水と宝石と闘争の日々
15/37

13 決闘が申し込まれました

「決闘をする。ということで良いんだね?」

「はい」

「お願いしますわ」

「では、一年マリ、七太郎。今週の休み前日の終業後に競技場にて。申請承りました」



 昨日、彼女に決闘を申し込まれ、、

 今日一緒に学長のところへ決闘の申請をしに来た。


 正式に決闘するという書面にサインをし、教わりながら魔力の判を押す。

 万が一ケガしても文句は言えない旨の文章などが書いてある。


「しかしですね、入学した次の日に決闘申し込みなんて、学院始まってからの珍事ですよ」


 こっちがしたわけじゃないんだけどなぁ。チラリとマリの方を見る。

 目立てて良かったですわねみたいな感じでニヤリとしてきた。


「いえ、生徒同士ぶつかり合って切磋琢磨していくべきだと私は思います。では私が立ち合いを務めますので、またその時に。楽しみにしています」



-----



「…ふぅ、決闘って面倒なんだなぁ」

「もしかしてわかってませんの?」

「えっ?戦うんじゃないの?」

「貴方全然わかってませんのね」

「いやだって入学したばっかりだし」

「いいですわ、そんな田舎育ちのボンボンのおぼっちゃまに教えて差し上げますわよ。

正式な決闘は成績に反映されるのですわよ」

「成績!?」

「そう。勝者と敗者の順位が入れ替わる。あなたが勝てば最下位から一位までいきますわ」

「マリさんて主席…?」

「オーホホホ、バレちゃいましたわね。恐れをなしたかしら?」

「そしたら…、むしろそっちには決闘をするメリットって無いんじゃ…?」

「わたくしは主席の順位を。貴方にはわたくしと戦ってもらって入学に値するかを確かめる。これはわたくしのエゴですわ。それだけのものを賭けるのは当然のこと」


 ・・・悪役令嬢じゃなさそうだぞ?


「それにもう、油断はしないので昨日みたいな結果にはなりませんことよ?それじゃあその時まで首を洗って待ってなさって」

「昨日みたいな結果?勝ち負けはついてなかったような…?あ、下着を見ちゃったことか、ごめん記憶は取り消せなくて」


 ハラ師匠なら取り消せそうな気がする…。


「もうっ、そういうところですわ!まったく。恥ずかしいところを見られる身にもなってくださいまし」


 帰りかけたところをすごい勢いでこちらを指さして去っていった。

 ・・・意外と怒ってるようで怒ってない?まぁいいか。

 決闘したところでこれ以上あの子からの評価が悪くはなりようがないみたいだし。



-----



 授業が始まるのを席に座って待っていると、

 何やら小さい人物が歩いてきた。

 全身ローブを羽織っており、目だけ出ているため全体像はつかめない。

 だが大きさ的に子どもだろうか?どこからか迷い込んだ?ちょっと保護した方がいいかな、自分もまだよく場所分かってないけど。

 と七太郎が立ち上がろうとすると


「それでは授業を始める」


 !!先生だったのか!?

 いや、しかしっ確かに小人みたいな人間もいるし、そう考えると不思議ではないか?


「今日の授業は魔法理論基礎である」


「諸君らもなんとなく感覚で分かっているだろうが、魔法は発現させるだけではその辺の道具を使うのとさほど変わらない。

なのでその魔法を移動させるということが重要になってくる。その方法の種類だが…」


 そういえばマリさんのあの囲え、とか言う魔法、顔から離れなかったやつ。

 多分あの事前の、高速で額に当たった水、あれがマーカーとなって顔に引っ付いていたんだと思う。

 そうすると事前に避けるか、魔法でなんとかするしかなさそうだ。



「そして座標。つまりどこに何を出現させるか、ということだな。

おそらくなんとなくでそれを行っている者も多いかと思うが、

せめて自分なりの基準を作っておかないと、魔法が失敗したり、けがをする恐れがあるだろう」


 座標…。そうか、昨日のは座標か…。

 だからつなげた場所がついてこず…。

 今の自分にはゲートしかない。せめて小さくても操れるようにだけはしておこう。


「それと魔法の基本理論だが、

まだまだよくわかっていない者もいると思う。

 人が生きるということは複雑なことだということを理解し、その一つ一つの動作を分解して考えるとよい。

 例えば目の前にあるリンゴを食べるという動作をするにあたって、


・目の前のこの距離にリンゴがあるということを認識する

・手をその場所に伸ばす

・必要な位置で手を開く

・その手をリンゴを掴める位置に調節

・手を閉じる

・腕を動かし口元にリンゴを持ってくる

・口を開く

・頭をリンゴが食べれる位置に移動する

・口を閉じる

・そしゃくをする

・リンゴが程よく細かくなったことを認識する

・のみこむ


と大雑把に考えてもこれだけの項目を同時に意識せずやっている。

 だが同じことを魔法でしようと思うと実際はこれだけの指示をしていかないと、正確にできるとは言い難い。

 瞬時にこれだけのイメージをしようと思っていても、それこそトップの魔法使いレベルでもないとまず難しい。

 なので、トレーニングをしてこの挙動を身体に覚えさせるか、

一般的なのは知識と工夫で、もう少し簡単な指示でできる魔法を起動する方を考えていくとよい」



 先生の言うことはなんとなくだけど、プログラミングのようなものなのかな?って思った。

 確かに師匠の話を聞いていても順番に必要なものを分けていたなぁ。

 魔法はプログラミング化学。ちょっと覚えておいてイメージをしておこう


 それとリンゴを例えに出すものだから、師匠の小屋で食べた酸っぱいリンゴを思い出した。甘いリンゴが恋しい…。



「では、授業を終わりにするバブ…あっ!」


 ・・・ん?


 目しか見えないが、驚いていることはわかる。そしてこちらも驚いている。

 というか、今の発言から察するに、子供どころか乳児?幼児なのか?

 しかしバブって言う赤ん坊初めて見た。っていうかどこに突っ込んでいいかわからないぞ!


「ではな!」


 走り去っていった。途中で転んでハイハイしてた。大丈夫かな?

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