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魔法文明論  作者: ゼリー
二章 純水と宝石と闘争の日々
13/37

11 中央魔法学院に来ました


 ゲートからしばらく歩き、以前師匠にここだと言われた魔法学院に到着する。


 よくある転生モノの学校みたいに荘厳な石造りでという感じでもなく、

かと言って画一的な学校みたいな雰囲気でもなく、

ちょっとおしゃれな木と石でできた建築物という感じだ。

この辺りの建物は全体的に木も多く使われているので、木材がよく取れたり、湿度が高いから木の方が都合がいいということかもしれない。


「とりあえず、っと」


 門のところにいる警備員みたいな人に手紙を見せる。


「ええと、学長に渡すようにって言われていて…」


 警備員は表、裏と見る。が、蝋で封をしてあるため中までは見ることができない。


「開けても?」


 頷く。

 すぐ終わる、と思ったが。

 警備員さんがどうやっても開封することができなかった。

 魔力認証か?と思って魔力を流しても弾かれてしまう。


 もしや、決まった相手しか見れないやつ?仕組みは分からないけどSSL認証的な?

 こりゃ駄目だと悟ったようで、警備員さんは人を呼びに行った。

 まぁ魔法の専門家が集まる場所だろうからなんとかなるだろうと息を吐く。 


 あ~でもこういう時間ってなんか苦手だ。

 成否が何もわからないまま待たされる感じ。

 これで入学拒否されたらどうなるんだろうか、あっやばっ師匠の家の場所わかんないや…。

 確かに学長と師匠の関係って聞いてないからわからないしなぁ…。

 そんなほいほい入学できるのか不安になってしまう。


 ネガティブな考えが頭をよぎっていたら誰かがこちらへ走ってきた。

 っていうか足速いんだけど!?ウサインボルトより早くない?50mほどあったと思うのに2秒くらいで来たよ!?


「はぁはぁ…待たせてしまいましたすみません、こちらへ」

「だ、大丈夫ですか?」


 ああ、大丈夫と初老の男性は手を上げ応える。

 歩きながら声を投げかけられる。


「手紙にはハラ先生からと書かれていましたが、今日はあの方は…?」

「あ、途中まで送ってもらって別れました」

「そうでしたか…新しい魔道具の理論を見てもらいたかったんですが…」


 その男性は少しがっかりしたかのように頭を少し下げ、ハンカチで汗をかいたおでこを拭く。

 師匠が先生?一体どういう流れでそうなったのだろうか気になる。

 そうして辿り着いたのが学長室。


 その男性と重厚な扉に入る、

こっそりと「失礼しますと」声を出す。


 誰もいない…。


 男性は正面の大きな机の椅子に腰かける。

 机の上はなんだかよくわからない雑多なメモや回路みたいなものが書かれた紙、本が散乱している。


「それじゃ、封を開けさせてもらいます」


 ほんの少し指が光り封が解かれた。

 つまりこの人が学長だったのか!いや椅子に座った時点でなんとなくわかってたけど、直々に呼びに来てくれたから別の人かと…。


 手紙を読む学長は読み進めながら驚いたような顔をしたり、こちらの顔をみたりとなんだか落ち着かない様子だ。何が書かれてるんだろう。


「先生のお弟子さんなんですか?」

「あ、はい。ちょっといろいろあって行き倒れているところを助けてもらい、その流れで…」

「そうでしたか、先生らしい…。

それでご確認させてもらいますが、この中央魔法学院に入学させてほしいとありましたが間違いないですか?」

「はい、是非お願いしたいと思っています」


 ほんの少し考えるそぶりを見せる。


「わかりました。そうしたら手配をしますので、助手に校内の案内などをしてもらっていてください。ああ、私の名前はナバナ。中央魔法学院の学長と魔法研究開発局の局長を兼任しています」


-----


 そうして助手さんに案内してもらう。

 生徒たちは外の人たちと違い、ピシっとしている制服を着ている。なんというか士官学校みたいな感じ。でもちょっと不思議なのが各自その制服をいじっていたり、マントみたいなのを羽織っていたりもしている。


 助手さんにその辺を聞いてみると、

知らないのか?という風に眼鏡をくいっと上げ


「魔法で戦う際に手の内を知られたくないことが多く、ヒラヒラした服で挙動や武器を隠したり、逆に動きやすい服で肉弾戦に特化させるという意味で自由を許容されるのよ」

「へぇ~」


 なるほどみんないろいろ考えてるんだなぁ。 

 ちなみに助手さんはメイクや髪型を日本の現代人から見ても完璧に整えており、いわゆる秘書といった服装に細めの眼鏡をかけている。なんだかきつそうで苦手かもしれない。


 その後、案内されつつ学長がいかにすごいかを熱弁された。

 昔ランカーだったこととかすごい魔道具を作るのに関わったこととか。

 なんだ、ただの学長が好きすぎる人だったのか。好きになれるかもしれない。


-----


そして一通り周って戻ってくると、


「他の皆さんが入学してから一か月遅れですが、一学年のAクラスに編入の準備が出来ましたので」

「はい!ありがとうございました」


 そのまま寮に案内され、渡された制服に着替えていよいよクラスに…。

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